ネットの画像は永遠に消えない?「デジタルタトゥー」の恐怖

「炎上」「祭り」とは、ネット上の発言などがきっかけで、非難や中傷のコメントをしたり、その発言を多くの人の目に触れるよう拡散される様子を例えた言葉です。

ネットの画像は永遠に消えない?「デジタルタトゥー」の恐怖

「炎上」「祭り」とは、ネット上の発言などがきっかけで、非難や中傷のコメントをしたり、その発言を多くの人の目に触れるよう拡散される様子を例えた言葉です。

これらは一時的な状態を指しますが、Webに投稿した画像や発言などのログが、投稿者本人の意思とは関係なく永久に残り続ける「デジタルタトゥー」と呼ばれる概念が専門家から指摘されています。不用意な発言をしたり、プライバシーの管理やセキュリティを怠ると、永遠にネットの世界を漂うことになりかねないのだとか……。

一般のパソコンユーザーに分かりやすくITセキュリティ対策情報を発信している「セキュリティ対策推進協議会事務局(SPREAD)」に、その対策について伺いました。

悪ふざけや軽いつぶやきが一生の汚点に


Web上で検索してみると、悪ふざけをしている画像投稿者の個人情報がいまだに残っている事例が確認できます。ホテルや飲食店などの、ビジネスの現場でも、著名人が来店したことを軽い気持ちでSNSに投稿し、顧客のプライバシーを侵害したとして、そこから個人や企業まで特定され、企業は謝罪表明をし、個人は社会的制裁などの処罰を受ける、といった事態に発展したケースは一つや二つではありません。そしてその多くが今なお、ネットで検索、閲覧可能な状態にあるのです。

ちなみにアメリカの企業では、面接時にブログやSNSを利用しているか尋ねられることは珍しくありません。利用している場合は過去の書き込みがチェックされ、羽目を外した画像などが貼られていると、それで採用されなくなってしまうのです。その書き込みの内容により、採用した企業にまで被害が及ぶことを防ぐためです。

それほどまでに、アメリカでは、ブログやSNSの情報の流出に対するリスクが認識され、マネージメントに注意が払われているのです。

ブログやSNSの利用者はここに注意!


では、私たちは常日頃、どのようにネットに向きあえばよいのでしょうか? SPREADは、次のような事柄に注意を促しています。

1. 複数のSNSのアカウントを持っている場合は注意


「あるSNSを匿名で使用していても、他のSNSで本名を公開していれば、個人を特定できる可能性があります。例えば匿名で使っているツイッターで位置情報、行動範囲、交友関係、投稿時間に関係するツイートをしていたら、同じ情報を別の、例えば基本的に本名を使用するフェイスブックなどのアカウントの情報と照らし合わせることで、誰か分かってしまうことになりかねません。“豪雨なう”など天候に関するつぶやきや、地震、停電、虹の写真なども場所の特定に使われる場合があります」

2. 「タグ付け」機能で画像がオープンに


「SNS上でつながっている友達がアップした画像に自分のタグが付けられると、その画像が自分の友達全員に告知される『タグ付け』という機能があります。自分では画像の公開範囲を限定していても、SNS上の友達が一人でも書き込みを全公開に設定していれば、あなたがタグ付けされた画像はそのSNSの利用者すべてに見えることになってしまいます。タグ付けされた場合、表示される前に確認する設定にすることで、こういったリスクを多少軽減することができます」

3. 位置情報を埋め込む「ジオタグ」の機能はOFFに


「スマートフォンや携帯のカメラなどには、撮影時の場所の正確な位置情報を画像データに埋め込む『ジオタグ』があります。この設定をOFFにしないまま撮影し、それをブログなどにアップしてしまうと、場合によっては、自分がいる位置をピンポイントで公開してしまうことになります。子どもやペットなどは自宅で撮影するケースも多いので、投稿前の確認が必要です。多くのサービス(ツイッターやフェイスブックなど)では、投稿の際に自動的に位置情報が削除されますが、WordPressなどを使って自身でブログをアップしている場合は特に注意が必要です」

4. 情報の公開を意識して撮影・アップを


「位置情報を埋め込んでいない画像でも、グーグルの『画像検索』機能を使うと、類似画像を探し出すことができます。例えば建物などの撮影時に位置情報をOFFにしていても、類似画像に同じ建物があり、その画像に位置情報のデータが組み込まれていれば、建物が特定できます。個人の住まいなどを撮影する際には、意識してください」

本来ITやネットは生活を豊かにする便利なツールですが、技術が発達すれば、便利さと一緒にリスクも拡大します。自分としてはプライベートで投稿した内容だとしても、あなたの所属企業が分かってしまえば、それは会社も巻き込んだ事態に発展しかねません。たった一度の失敗が「デジタルタトゥー」として刻み付けられることがないよう、ネットの利用には十分気を付けてくださいね。

※この記事は2014/05/30にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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