パタゴニアの社員が勤務時間中でも“いい波”が来たらサーフィンに行ける理由

「社員をサーフィンに行かせよう」というのは、アウトドアブランドとして有名なパタゴニア社の創業者イヴォン・シュイナード氏の経営哲学です。彼が自身の経営哲学を書いた書籍が日米でロングセラーとなっています。

パタゴニアの社員が勤務時間中でも“いい波”が来たらサーフィンに行ける理由

「社員をサーフィンに行かせよう」というのは、アウトドアブランドとして有名なパタゴニア社の創業者イヴォン・シュイナード氏の経営哲学です。彼が自身の経営哲学を書いた書籍が日米でロングセラーとなっています。

「この『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論』(東洋経済新報社)が出版されて以来“本当に波がいいときはサーフィンに行っているんですか?”とよく聞かれますが、本当に行っていますよ」

そう話すのは、パタゴニア日本支社で人事を担当する藤井さんと斉藤さん。平日の日中サーフィンに行くことが許される会社……パタゴニアとはどんな会社なのか。皆さんが気になるその内情を聞いてみました。

仕事の仕方に“メリハリ”があるから、日中サーフィンに行ける


「いい波が来ているときは、サーフィンに行く人が実際にいます。しかし彼らが働いていないかというとそうではありません。サーフィンをした分、夜中だったり早朝だったり、ほかの時間できっちりと働いています。日中に海へ行ける分、そうした時間に“より集中して”働いている社員だからこの制度が成立するのです」(パタゴニア人事部、以下同じ)

サーフィンに行ってただ遊びほうけているわけではなく、やるべきことはほかの時間できっちり効率よくやる。会社が社員の「自主性」と「責任感」を信頼し、社員もその思いにきちんと成果として応えることができているからこそ、この制度が機能しているといえるのでしょう。

男性も取得できる、8週間の育児休暇


「弊社では、56日間(8週間)の有給の育児休暇制度があります。女性はもちろん出産育児休暇を取得するのですが、弊社では男性も取る人が多いです。2013年は5名、2014年は既に3人が取得しています。子どもが1歳になるまでの間に、自分の都合に合わせて56日間休めるこの制度は、“職場復帰するママの手助けにもなる”と、皆さん利用しています」
育児パパという言葉が市民権を得て久しいですが、実際に育児休暇を取得している人はあまり聞きません。しかし、パタゴニアでは、2014年に入って既に3人の男性が取っているといいます。従業員数400人ほどの同社にあって、この懐の広さは“さすが”といったところではないでしょうか。一人の社員が仕事を抱え込むのではなく、同僚が互いの仕事を把握しており、社員一人一人が、お互いを助け合う姿勢があるからといえそうです。


個人の生活に応じて、就労時間は融通をきかせる


名目上9時~18時という定時があるパタゴニア。しかし、社員さんたちそれぞれが自分の都合に合わせて働いているといいます。「例えば、人事部で働く私の場合は、小学生の子どもがいるため、夕方は早く帰れるよう8時30分~17時30分で働いています。そういった個人個人の判断でメリハリをつけて働いている人ばかりですね」

そのほかにも、最長2カ月間職場を離れ、世界各地の環境保護グループの活動に参加することができる「環境インターンシップ・プログラム」という独自の制度も設けているパタゴニア。社員それぞれが自分のライフスタイルに合わせて、仕事と夢あるいは仕事とライフワークに全力で取り組める社内制度が取り入れられている背景について、前述の書籍によれば、「従来の規範に従わなくてもビジネスは立ちゆくばかりか、いっそう機能する」からだとあります。

ただ、こうした社内制度が成り立つのは、会社が社員を全面的に信頼し、社員一人一人がその信頼を裏切ることがなく、成果を上げ続けているからだといえます。こうした先進的な企業文化が少しずつ他業種にも浸透していくといいですね。


※この記事は2014/04/28にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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