【経験者に聞いた】世界一周ってキャリアアップにつながるの?

若者の海外旅行離れが叫ばれて久しいですが、「世界一周旅行」に興味を持つ人は今も少なくありません。しかし、「もし行けたら人生が変わるだろうなぁ」と思いつつ、帰国後の仕事に不安を感じている人もいるでしょう。

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若者の海外旅行離れが叫ばれて久しいですが、「世界一周旅行」に興味を持つ人は今も少なくありません。しかし、「もし行けたら人生が変わるだろうなぁ」と思いつつ、帰国後の仕事に不安を感じている人もいるでしょう。

そこで今回は、実際に会社を辞めて世界一周に出た3人の経験者たちに、世界一周したあとにどのように仕事を見つけたのか、また世界一周が自身のキャリアにどのような影響を与えたのか聞きました。


約2年半の海外生活の末、貯金ゼロで帰国した藤川さんのケース


「世界一周は、あくまでも旅行であり、キャリアアップなどのメリットを求めるのはよくないと思います」と話すのは、世界中の人々のヘアカットをしながら世界一周をした美容師の藤川英樹さん。

「帰国後にどうしよう……」と考えるのではなく、純粋に旅行として楽しむべきなのだとか。その一方で、藤川さんはこうも言います。

「僕は職業上、世界一周をしたという人と話す機会が多いのですが、誰ひとりとして行ったことを後悔している人はいません。それだけ魅力的な経験だし、楽しいことなのだと思います」

藤川さん自身も2008?2009年に世界一周を敢行しました。不安はなかったのでしょうか?

「不安は特にありませんでした。また帰国しても美容師をやるんだろうなあと、漠然と思っていたくらいです。そう思っていた通り、世界一周後は、東京に着いて3日後には個人で髪を切り始めました。就職ということでいえば、2カ月後くらいですね。知り合いの美容室で、店長として雇ってもらいました」

現在では、独立を果たし、経営者としても活躍する藤川さんに、仕事で悩む人に向けてメッセージをいただきました。

「“高級感のある美容室をつくる”という夢はあるけど、現状に飽きを感じてモヤモヤしていた25歳のときに、僕はオーストラリアに飛び出し、世界一周もしました。当時は『英語できない』『貯金ゼロ』と、ないない尽くしでした。

それでも今は、美容室の経営者として充実した日々を送っています。それができたのは、仕事も遊びも旅行も含めて、今を純粋に楽しもうとしてきたからだと思っています。

だから、世界一周をしたいという人は、とにかく旅行自体を楽しんだらいいのでは? そうすれば自然と帰国後にやりたいこと、やるべきことが見つかると思います」


一家4人で世界一周に出かけた森本さんのケース


森本創さんは、夫婦で、それも子どもを連れて、30歳のときに世界一周の旅にでかけました。その理由は、「若いうちに世界を一通り見てみたい。さらに子どもにも見せたいし、まとまった時間を家族でともに過ごしたかったから」だと言います。

日本で会社員をしていると、どうしても仕事の時間は子どもと接することができません。育児休暇制度が整備されてきたといっても、男性で実際に取得している方は少ないのが現状です。

そこで森本さんは、「出発時には、しばらく暮らせるだけの貯金を残して、帰国後のことはノープランで出発。旅行中にすごく気に入る場所があればそのまま住み着いても良いとも思っていたし、食べていく分には何をしてでも困らないだろうと、一家で世界一周に出かけた」のだとか。

結果的には、旅行先の特定の国に居座ることはなく、帰国の途についた森本さん。再就職はすんなりといったのでしょうか。

「最初のころは、何か面白いアイデアや人にめぐり合えたら、小さくとも何か事業を起こせるのではないかという他人まかせな考えもありました。しかし旅も後半になって(1年半の旅の1年過ぎたころ)、日本の地方部に住んで子育てをしたいと思い至り、情報収集や再就職の段取りを行いました」

その結果、岐阜県の飛騨にあるベンチャー企業で働けることになり、帰国後に旅行カバンを抱えたまま移住し、一週間後から働き始めたと言います。

いろいろな国を旅してきて、仕事に関する価値観は変わったのでしょうか。森本さんはこう話します。

「“仕事ありきの住む場所”ではなく、“住む場所ありきの仕事”という働き方に変わりました。また、良い意味で“食べるために働く”というシンプルなモチベーションを持つようになりました」

帰国後に勤めた地域観光コンサルトを経て、現在は森林組合できこりとして働く森本さん。最後に世界一周を考える人に向けてメッセージをもらいました。

「旅をすれば思いもよらない道が開けるということや、キャリアアップに結びつくということは、残念ながらほとんどないでしょう。

でも、自分さえ望めば人生をシフトできる良い機会にはなると思います。帰ってくる場所があって、帰ってきても再就職に困らない余裕のある状況や立場にいるのなら、賢い遊び方といえるかもしれません」


大学時代に世界一周を行った山代さんのケース


高校生のときに行ったオーストラリア留学を機に「世界中をこの目で見たい」と思い立ち、実際に大学生のとき、休学をして世界一周に出かけた山代誠也さん。

「帰国直前まで、帰国後のことは考えていませんでした。旅行中はその瞬間に夢中で、次に訪れる場所に思いをはせていました。ただ帰国したら就活の年だったので“どういう仕事をしたいか”ということは旅の間に考えることのひとつではありました」

就職活動のための塾すらあるほど、日本の大学生は就活に熱心ですが、山代さんはほとんど準備できないまま就活の波にのまれたと言います。

「帰国後は、右も左も分からないまま就活という荒波を泳がないといけない状況でした。ただ幸運なことに、1カ月ほどの活動で商社からの内定をいただくことができました」

大手商社に就職し、安定した日々を送っていたそうですが、その後転職を決意します。

「仕事に対する価値観は、旅による影響を多く受けています。ライフワークにしたいと思える今の仕事に出会えたのは、旅のおかげだと思っています」と話す山代さんは、“安定”よりも“やりたいことをする”という思いを大切にし、珈琲店に転職。現在も独立に向けて精力的に勉強・活動しています。

最後に、これから就職・転職活動をする人に向けてひと言をいただきました。

「いつか人生は終わるという実感をもって、旅も仕事も楽しむのがいいと思います!」


まとめ


世界一周に純粋なキャリアアップを求めるのは、難しいでしょう。しかし、自分がやりたい仕事や望む生き方を手にするためには、世界一周は一つの手になるのかもしれません。みなさんも、もし時間とお金が許すのならば、世界一周に挑戦してみては?


※この記事は2015/11/06にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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