人気TV番組リサーチャーが伝授! プロが実践する4つの情報収集術

情報過多時代といわれて久しい昨今。「どうすれば人と違う情報が手に入るのか」と頭を抱えるビジネスパーソンは少なくないでしょう。

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情報過多時代といわれて久しい昨今。「どうすれば人と違う情報が手に入るのか」と頭を抱えるビジネスパーソンは少なくないでしょう。

そんな情報があふれている時代だからこそ注目されている、リサーチャーという職業があります。リサーチャーは、テレビ番組や広告代理店、企業のコンプライアンス部門といった依頼主に必要な情報を的確に集める、プロの情報屋。今回は著書に『プロフェッショナルの情報術』(祥伝社)を持ち、『行列のできる法律相談所』や『ジョブチューン』といった人気テレビ番組のリサーチャーを務めるなど、“情報のプロ”の一人である喜多あおいさんに、情報収集力をアップさせる方法について聞きました。

情報収集で気を付けるべき4つの基本ルール
情報収集をするうえで、4つの基本ルールがあると喜多さんは言います。


1.先入観を持たずに情報収集を始める


「自分の知識を過信して、先入観を持って情報収集を始めてしまうと、調査をごく狭い範囲に限定してしまいます。これでは多くの情報を集めることはできません」(喜多さん:以下同じ)

2.一度集めた情報は必ず客観的に見直す


「情報というのは、提供した時点でひとり歩きしていくものです。そこでは情報を集めた人の意図は関係ありません。ですから、集めた情報は必ず一度、客観的な目線で見直す必要があります。情報がひとり歩きしていく先のことまで、イメージしておかなければならないということです」

3.情報は常に新しいものに置き換わることを念頭に置く


「情報は常に新しいものに置き換わっていきます。いわば情報は生き物。今日調べたものが明日には変わっているかもしれない。そのことを頭に入れておかないと、まったく的はずれな情報を集めてしまいかねないので、注意が必要です」

4.依頼された場合は、情報がどう使われるかを想像する


「情報というのは、依頼主の立場によって捉え方や受け止め方が変わります。だれかから依頼されて情報収集をする場合に忘れてはならないのが、情報から結論を決めるのはリサーチャーではなく、依頼主だということです。つまり情報がどのように使われるのかを想像できていないと、良い情報を提供したとはいえないのです」


情報収集力を上げる4つのテクニック
先に書いた4つの基本を守ったうえで、実際に人と違う情報を手に入れるにはどうすればいいのでしょうか。その具体的なテクニックを4つ挙げてもらいました。


1.調べる情報ソースの順番を間違えない


情報ソースには、主に「書籍」「新聞」「雑誌」「インターネット」「対人取材」の5つがあるとする喜多さん。これらのソースを当たっていく順番を間違えないことが重要なのだとか。

「例えば“金沢について調べてほしい”というザックリとした依頼があったとします。こういったフワッとした依頼では、テーマ選定が重要になります。

私だったら、まず金沢の基本情報をいろいろな事典で調べたうえで、金沢についての書籍をあたっていきます。書籍タイトルや目次の章タイトル、見などがどのような切り口になっているのかを見ていくのです。そうすると、どんな切り口で情報を調べていくべきかが分かってくるわけです」

多くの人は、インターネットから調べ始めるでしょう。しかしそれでは情報の海に溺れて、フワッとした情報収集になりがちだということ。もちろんインターネットの検索がダメだというわけではありません。

「切り口が見えてくると、インターネットも有効活用しやすくなります。“金沢”にどんな言葉を追加して検索すればいいかが分かるからです」

依頼によって順番を変える必要があるという喜多さん。例えばマーケティングにかかわる情報提供であれば、書籍ではなく雑誌から始めるのだとか。

「マーケティングは、“20代男子”といったターゲットがほとんどの場合で決まっています。そうすると、世代も性別も違う私には太刀打ちできないので、始めに“雑誌のシャワー”を浴びることにしています。ターゲットが読むような雑誌を20冊以上読みあさるのです。雑誌は読者層が明確なので、これをすると自分が“仮想20代男子”になれるのです。この工程を踏むと、別のソースにあたっていくときに、情報の取捨選択ができるというわけです」

以上を踏まえて、具体的には、次のような調べる順番が考えられるそうです(※あくまで一例です)。

【基本】
書籍(事典含む)→新聞→雑誌→インターネット→対人取材

【マーケティングなどのターゲット層が決まっている場合】
雑誌→書籍→新聞→インターネット→対人取材


2.その情報がいつの時代のものなのかを意識する


「情報にはタイムラグがあります。例えば子育てについてが分かりやすいでしょう。“赤ちゃんの寝かせ方”などは時代によって変わります。母子手帳に書かれていることですら、変わっていたりします」

そんなタイムラグがある情報を調べるときには、その情報がいつの時代のものなのかを意識することが重要なのだとか。

「15年前の情報が必要であれば、その時点での情報でなければなりません。直近の情報が必要であれば、最新の情報でなければなりません。

それぞれに調べる方法はあります。前者であれば、図書館でその時代の新聞や、雑誌専門の図書館である大宅壮一文庫にあるその時代の雑誌をあたることで、情報を手に入れることが可能です。直近の情報が必要であれば、googleの検索ツールで期間設定を“1カ月以内”として調べればいいでしょう」

時制を大切にするときに、1つだけ注意することがあるとも話す喜多さん。それはどの時制の情報を調べるのであれ、最新情報だけは把握しておくこと。最新情報は、過去の情報の客観性を保つための比較対象として必要なのだそうです。


3.情報を横に動かして“おみやげ”を得る


どんな情報ソースであれ、ある1つの情報にたどり着いたときに、必ず情報を横に動かす(付随する情報も調べる)ようにすると、一気に情報量が増えると喜多さんは言います。

「例えば辞書を調べるときであれば、凡例を読み、対義語や同義語も確認します。私はこれを情報の“おみやげ”と呼んでいます。

例えば映画を見に行くときは、映画自体が面白くても面白くなくてもパンフレットを必ず買って帰ると、専門家のコメントなどの映画に付随する情報=“おみやげ”も手に入れることができます」

そんな情報の“おみやげ”を手に入れるには、もっと簡単な方法もあると喜多さんは話します。

「パソコンで調べるときに、ダブルウィンドウにするだけで、情報の“おみやげ”の量が増えます。一方のウィンドウでは、自分がもともと調べたかったことを検索するウィンドウにし、もう一方のウィンドウを“おみやげ”専門にするのです。

少しでも分からなかった言葉や、見慣れない固有名詞などがあれば、“おみやげ”専門のウィンドウで必ず調べる。そうすることで、容易に情報を横に動かしていくことができます」


4.普段から固有名詞を意識して使う


「人と同じ言葉を選んでいては、当然人と同じ情報にしかたどり着けません。人と違う言葉を選ぶためには、一般名詞ではなく、固有名詞を使う必要があります」

喜多さんによれば、情報レベルが高いのは固有名詞に強い人なのだそうです。普段から固有名詞を意識して使うことで、情報収集力は上がると語ります。

「普段の何気ない会話から固有名詞を使うことで、訓練することができます。
“何を食べたい?”と聞かれたら、“パスタ”と答えるのではなく、“ペスカトーレ”と答えるようにする。固有名詞のない情報ほど、凡庸なものはありません。固有名詞を使い続けると、観察力や洞察力、描写力も身に付きます」

情報過多時代だからこそ情報収集力を!
決して「インターネットで検索すれば情報なんていくらでも手に入る」と考えてはいけません。情報過多時代だからこそ、情報収集力によって結果に差がつくもの。あふれかえる情報に埋もれないためにも、今回紹介したテクニックをぜひ使ってみてください。


著者プロフィール
喜多あおい(きた・あおい) テレビ番組リサーチャー。株式会社ズノー執行役員。大学卒業後、出版社や新聞社での勤務、作家秘書などを経て、94年よりテレビ番組のリサーチャーとして活動を開始。情報バラエティーからドラマまで、番組の企画・制作に必要なリサーチを中心に、企業・官公庁など広い分野で活躍中。メディアリテラシーや情報術の演目で、社会人や学生向けの講演も。「放送ウーマン賞2014」受賞。著書に『プロフェッショナルの情報術』(祥伝社)、『勝てる「資料」をスピーディーに作るたった1つの原則』(マイナビ新書)がある。

※この記事は2015/10/05にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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