やる気が出ないのは脳のせい? 脳をだましてやる気を出す『のうだま』の東大・池谷裕二先生を直撃

ゴールデンウィークから海の日まで、75日もの間まったく祝日がないこの時期、月越しの五月病とも相まって「絶賛やる気減衰中」とお悩みの方は多いことでしょう。

スタディ 雑学
やる気が出ないのは脳のせい? 脳をだましてやる気を出す『のうだま』の東大・池谷裕二先生を直撃
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ゴールデンウィークから海の日まで、75日もの間まったく祝日がないこの時期、月越しの五月病とも相まって「絶賛やる気減衰中」とお悩みの方は多いことでしょう。

そんな個人的心情にはおかまいなく積み上げられてゆくのが仕事というもの。さっさと片付けていかないと残業や休日出勤するハメになりかねません。

もっとやる気を出したい! できれば楽な方法で。

なまぐさな気持ちで調査を進めるうちに見つけたのが、「やる気が出ないのは脳のせい」「やる気は出そうと思っても出ない」「脳をだませばやる気は出せる」とうたう書『のうだま』(幻冬舎)なのでした。

そんなうまい話があるのでしょうか? 同書の著者の一人である東京大学大学院薬学系研究科教授の池谷裕二先生を訪ねました。

「本書でも触れていますが、人間というのは飽きっぽくて当たり前。それは脳の性質によるもので、いくら新鮮な環境でも、次第に慣れてマンネリ化=馴化(じゅんか)させるようにできているのです。ではつまらないと感じている仕事に対して、やる気を出すにはどうしたらいいのか? 簡単です。とにかく目の前の仕事に取りかかってしまえばいいのです」(池谷裕二さん、以下同)

--もともと人間は三日坊主という点までは把握できましたが、肝心のやる気を出す方法が理解できないのですが…。

「実は、やる気が出ているとき、脳にある淡蒼球(たんそうきゅう)という部位が活発に動くということが分かっています。ただこの淡蒼球、人間の意思ではビクともせず、脳の他の部位を刺激することでしか動かせません。そのスイッチは4つあり、そのうちのひとつが『とにかく体を動かす』というものなのです」

--実際ジョギングなど、家を出る前はものすごく腰が重いのですが、走り出してしまえば途中から楽しくなってきたりします。

「それと同じです。他に脳をだましてやる気を出すには『新しい体験をする』『ご褒美を与える』『理想の姿になりきる』というスイッチがあります。詳しくは『のうだま』をご覧ください。ただ、厳しいことを言いますと、そもそもやる気を出すためにハウツー記事を読むのは時間の無駄です。やる気なんてなくて当たり前。私だってありません(笑)。そこで悩むより、仕事のことを考えるべきではないでしょうか」

確かに…スタートを切るかどうかで逡巡していても仕方ありませんものね。ライバルは先を走っているわけですし。さ、淡々と頭と手を動かしますか。


(識者プロフィール)
池谷裕二(いけがや・ゆうじ)/東京大学大学院薬学系研究科教授。アルツハイマー病治療の研究から、記憶のメカニズム解明の一部として「脳の可能性」に着目し、数々の論文を学会に発表。専門書のほか、一般向けの著書に『海馬~脳は疲れない』(糸井重里と共著/新潮文庫)、『脳はなにかと言い訳する?人は幸せになるようにできていた!?』(新潮文庫)、『単純な脳、複雑な「私」』(ブルーバックス)、『自分では気づかない、ココロの盲点』(朝日出版社)などがある。
池谷裕二のホームページ

※この記事は2014/05/29にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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