「飲みの誘いを断わらなかったから今がある」ーー 7年かけて”好き”を仕事にしたバーグハンバーグバーグ かんち氏が語る、偶然が生んだ自分のキャリア

「ここで働くのも悪くないかな……。」ちょっとした妥協から就いた、今の仕事。理想と現実のギャップに違和感を覚えつつも、「転職するの、面倒くさそうだし」と働き続けてしまっていませんか?

はたらく ライフハック
「飲みの誘いを断わらなかったから今がある」ーー 7年かけて”好き”を仕事にしたバーグハンバーグバーグ かんち氏が語る、偶然が生んだ自分のキャリア
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「ここで働くのも悪くないかな……。」ちょっとした妥協から就いた、今の仕事。理想と現実のギャップに違和感を覚えつつも、「転職するの、面倒くさそうだし」と働き続けてしまっていませんか?

"好き"を仕事にできれば、やりがいを持って働き続けられるでしょうが、そう簡単なことではないと思います。ただ、いま働いている会社があなたのキャリアの終着点ではありません。

中には、紆余曲折を経ながらも”好き”を仕事にする人たちもいます。今回は7年の時を経て、自分の”好き”を仕事にした、”日本一ふざけた会社”として有名なバーグハンバーグバーグのディレクターかんち氏のキャリアについて話を伺ってきました。


「何のために働いてるんだっけ?」修行のために始めたガソリンスタンドの仕事に感じた疑問



-- 現在、バーグハンバーグバーグで働いていらっしゃいますが、ファーストキャリアはガソリンスタンドなのですか?かなり異色の経歴ですね。

かんち:そうですね。実家が福島県の南相馬市でガソリンスタンドを経営していて、かつ長男だったので、「実家を継ごう」という思いは前から持っていました。とはいえ大学卒業後にいきなり継ぐよりも、まずは他のガソリンスタンドで修行して経験を積んでおこうかなと。

そんな経緯もあって、大学卒業の2007年に「宇佐美」というガソリンスタンドの会社に新卒で入社し、それから4年間は八王子の現場でとにかく働きました。関東のガソリンスタンドの中でもかなり忙しいお店で、バンバンやってくるお客様に笑顔の接客で対応していましたね。もちろん給油以外にもオイルやタイヤ交換、車のコーティングなど一通りの作業経験させてもらって、今でも道具さえあればできますよ。

ちなみにコーティング剤でオススメは「キーパー ファイナル1」です。個人でもネットで買えるんですけど、あれ1本あれば自分で車をツヤツヤのピッカピカにできるんで持っていて損はないですね。他にもウィンドウコーティングでおすすめなのが……、あっ興味ないですか、すみません。

とりあえず修行という名目だったので、3年働いた時点で「あと1年で実家に帰ろう」と決めました。最後の1年間は、田舎の小さなガソリンスタンドがこの先どう生き残っていけばいいのかを常に考えて仕事してましたし、実家がガソリンスタンド以外にガス屋も経営していたので高圧ガスの資格を取るなど色々準備していました。

あとは地元の青年部に入って町興しを頑張りたいなぁとか、彼女と結婚したらうちの両親とうまくやっていけるかなぁとかそういうことも考えていて。そして2011年3月に「今月いっぱいで辞めます」と上司に言っていたのですが……。その月にあの東日本大震災が起こったんですね。幸い家族も親戚もみんな命は無事だったんですが、実家もガソリンスタンドも福島第一原発から直線距離で15kmくらいのところにあったので避難区域になってしまい帰れなくなったんです。


-- えっ!?

自分も両親も生まれ育った故郷、来月には戻ってそこで生活していこうとしていた場所が突然避難区域になってしまったので、目の前が真っ暗になってしまいました。これからどうすればいいんだ……と絶望に近い状態でしたね。自分がこのまま3月いっぱいで仕事辞めたとしても、実家に帰れなくなってしまったので仕事を継ぐこともできない。親と一緒に避難するわけにはいかないですしね。

なのでガソリンスタンドの会社に「もうしばらく働かせてください!」とお願いして、9月頃まで働かせてもらいました。ただ半年経っても実家に帰ることはできず……。そのとき、ハッと思ったんです。「あれ?俺ってガソリンスタンドで働いている意味ってあるのかな?」と。

最初は、実家を継ぐための修行として始めたガソリンスタンドの仕事ですが、実家になかなか帰れないとなると、「このまま働いていても仕方ないな……」という気持ちが日に日に強くなってきました。悶々と考えているのであれば、いっそ別のことをしようと思い、ガソリンスタンドの仕事を辞めました。


何も考えずに入った太陽光発電の営業。全然アポが取れなくて苦しかったですね。


-- その選択に後悔はなかったんですね。次の選択肢って何か考えていらっしゃったのですか?結構、突発的に辞められたと思うのですが……

かんち:1カ月くらい就職活動をした後、次の職場にしたのが太陽光発電の営業。体育会系の仕事っていうのは共通していますが、前職と関係性がないですよね。当時はほんと何も考えてなくて、原発の事故もあって再生可能エネルギーが注目されていたので、「太陽光発電の会社は伸びそうだなー」と。ほんと、それくらいの気持ちで決めましたね。

ただ、勢いよく転職したものの全然結果が出せなくて……。販売方法は一軒家を片っ端からピンポンしていく訪問販売のスタイルだったんですけど、これがまた全然アポが取れない。

ガソリンスタンドの頃に比べると、給料はガクッと下がって手取りで10万円切ってました。全く稼げなくて貯金をすり減らしながら生活していたんですが、そんな一番生活が苦しいタイミングで結婚したんですよ。


-- そのタイミングで結婚ですか(笑)

かんち:2カ月半くらい働いたんですけど、契約件数は0件で、「このままだと流石にやばいな」と思い、辞めました(笑)結婚もしたので。

こうしてガソリンスタンドを辞めてから半年も経たないうちに無職になってしまって。妻もいるので何とかしなきゃな……と思い、就職活動を始めたのですが、自分のやりたいことが全然分からなかったんです。

振り返ってみると、それもそのはずで。ガソリンスタンドは家を継ぐために始めたというだけであって、次の太陽光の営業は本当に何となく入っただけ。自分がやりたいことは何か全く考えず、その場その場でキャリアを選択していたんですね。


無職になって考えた、「自分のやりたいことって何だっけ?」


-- 時の流れに身を任せて、キャリアを選択されていらっしゃいますもんね。

かんち:太陽光の営業を辞めてからですね、初めて「自分がやりたいこと」を真剣に考えたのは。

太陽光発電の営業を辞めてから、ずーっと「自分のやりたいこと」を考えてみて。そこで「中学生の頃からインターネットが大好きだからIT系の会社に就職しよう!」と思ったんです。だってIT系の仕事だったら常にパソコンの前に座って仕事するじゃないですか。こっそりインターネットやり放題だー!って。

とりあえず求人サイトに登録して何社か当たってみたんですがうまくいかず、貯金も底を突きそうになっていて、どうしよう……と思っていた頃、たまたま未経験のエンジニアを募集している会社からスカウトメールが来たんです。一次面接でいきなり社長が出てきたんですけど、インターネットが好きなことをアピールしまくったらその場で内定が出たんで、二つ返事ですぐに入社しました。

入社して最初の3ヶ月間は研修でLinuxサーバーを立てたり、データベースやプログラミングの学習をさせてもらったりしていました。一応高専と大学で情報系の学科を出ているのでプログラミングは少しかじってきたんですが、5年間のブランクでその知識が完全に消え失せていました。「配列ってあったなぁ」「引数ってヒキスウって読むんだよね」くらいの知識しかなく、ほぼゼロからプログラミングを学ぶって感じだったのですごく楽しかったです。「書いたものが動くぞー」って興奮してましたもん。

もちろん業務時間中にこっそりTwitterやまとめサイト見たりもしてました。自分のやりたいことを叶えた瞬間です。


-- "好き"を仕事にすることができたと。その会社で働いているときに感じた違和感って何だったんですか?

かんち:なんか物足りなくなっちゃったんです。

-- は、はぁ(笑)

かんち:入社して1~2年は楽しく働けてたんですけど、会社でサービスをリリースしてもそれが全く人目に触れなくて。作ったものを「人に批評されたい!」と思っていたのですが、まったくサービスが流行らないもんだから評価すらされませんでした。

過去にさかのぼるんですけど、大学3年生の頃に『jackass』という海外の過激なお笑い番組が流行っていて、それに影響されて友人とケツにロケット花火挿したり、口にメントスとコーラ入れたり体を張ったバカ動画撮って自分のブログに公開していました。いまYouTubeでよく見るアレですね。

当時はあまりそういった動画を公開している人がいなかったというのもあり、現在バーグハンバーグバーグの代表であるシモダテツヤに声を掛けられて「オモコロ」に加入しました。「オモコロ」は今年で10周年を迎えたメディアで、ふざけた記事や漫画が毎日更新されています。自分が加入したのは9年前くらいなので意外とオモコロの初期メンバーなんですよ。

※オモコロデビュー作 ムダ毛処理で悲鳴を我慢する


7年の時を経て見つけた、一つの答え。自分の”好き”は人に見られることだった。



-- 学生のときから「オモコロ」のメンバーだったんですね。ちょっと意外でした。

かんち:「人に評価されたい」という思いが自分の中にあったので、「オモコロ」での活動は本当に楽しくて。自分が作った動画に色んな人からコメントがくるわけですよ。めちゃくちゃ笑った!とか汚い!つまんねぇ!カス動画!とか。たくさんの人から見られてるっていう感じがして、最高でした。

ただプログラミングの会社に転職してからは、子供も生まれて体張ることもやめてしまい、「オモコロ」での活動も休止してました。でも「もっと表に出る仕事がしたいなー」と思いつつも、淡々と仕事をこなして人目に触れないサービスを作り続けてました。


学生時代の出会いが繋げた今の仕事。今後の人生が楽しくなりそうだから



-- そこから今の会社「バーグハンバーグバーグ」にはどうやって入社されたのですか?

かんち:オモコロの活動をやめてからは、オモコロやバーグハンバーグバーグのメンバーに会う機会がほとんど無かったんですね。たまに共通の知人の結婚式で「かんちくん久しぶり、元気してる?」って声かけられるくらいで。そういうのが2、3年続いたので、シモダから「冠婚葬祭のときにしか会わない親戚か!」って言われてました。

今年の1月にシモダに「久しぶりに飲みに行こう」と誘われて。しばらくオモコロで活動してなかったですし、頻繁に会って飲む間柄でもなかったので気まずさも少しあったんですけど、誘いに乗りました。そこでシモダから「一緒にバーグで働かない?」と言われたんです。あの人、他人の人生変えることが趣味なんですよ。クネクネ曲がりながら進んできた僕のレールの進行方向に、分岐器がドーン!とシモダによって置かれました。

いきなりだったのでビックリしました。「えぇ!なんで自分が!?」って。でもめちゃくちゃ嬉しかったですね。オモコロで長い間知り合いだった人たちと一緒に仕事ができるなんて思っても見ませんでしたもん。その場で「入ります!」と言いたかったんですけど、一瞬不安が頭をよぎって即答できませんでした。

バーグみたいな会社って他にないですし、どうやってお金稼いでるのか正直わからない。社員の半数が業務中に下半身丸出しでいるイメージだったので、自分も下半身丸出しにしなきゃいけないのかな……とか。

あとは親がクソがつく真面目で、バーグハンバーグバーグって会社知ったらどんな反応するのかな……というのも不安材料の一つでしたね。YouTubeでバーグハンバーグバーグのプロモーションビデオ見れるんですけど、こんな会社で働いてるんだーって言ったらうちの母親は卒倒するかもしれない。

【株式会社バーグハンバーグバーグ】 会社公式プロモーションビデオ

かんち:妻からは「好きなことやりなよ」と後押しされていましたが、数日悩んでました。プログラミングの仕事はお給料悪くないし、定時で帰れる公務員みたいな環境だったので家庭を持っていたらこのままのほうがいいんじゃないかと。

でも自分がバーグで働いている姿を想像するとめちゃくちゃワクワクするんですよね。今後の人生もすごく楽しくなって、家庭での会話も増えて、下半身丸出しで路上に出ても堂々とできそう、そんな気がして。そこで決めました。「バーグハンバーグバーグで働こう!」と。

-- 7年間の紆余曲折を経て、本当にやりたい仕事に出会えたと。最後に、今の仕事にやりがいを持てていない人へのアドバイスがあれば教えてください。


かんち:僕がガソリンスタンドや太陽光パネルの訪問販売を後先考えずに辞めたように、後先考えずにエイヤッ!って辞めちゃってもいいんじゃないでしょうか。もしそれで転職失敗してもまた考えればいい。今の仕事を続けながらじっと機会を待ち続けるのもいいですが、その機会は逃さずアクションを起こさないとダメです。

たとえば飲みに行くこともアクションを起こすことの一つ。僕は飲みに誘われたらできるだけ断わらないようにしています。そのおかげで今の会社にいますからね!先日も12年会っていなかった中学時代の友人に「ビジネスの話したいから飲もうよ!」と誘われて行ったら、2時間みっちりマルチ商法の勧誘を受けて帰りました。

みなさん、怪しいと思ったら飲みの誘いはキッパリ断りましょう。


※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
《編集部》

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