オリンピックまでに日本は観光大国になれる?外国人観光客を誘致するインバウンド業界の3つの課題

2013年に日本を訪れた外国人観光客は約1,036万人となり、2003年の小泉政権下で定めた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の目標である1,000万人という大台を初めて突破しました(2003年の外国人観光客は約521万人)。

スタディ 雑学
オリンピックまでに日本は観光大国になれる?外国人観光客を誘致するインバウンド業界の3つの課題
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2013年に日本を訪れた外国人観光客は約1,036万人となり、2003年の小泉政権下で定めた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の目標である1,000万人という大台を初めて突破しました(2003年の外国人観光客は約521万人)。

さらに、2020年の東京オリンピック開催が決定したこともあり、政府は2020年までに2013年の2倍にあたる「2,000万人」という目標を掲げ、外国人観光客誘致の機運はさらに高まりそうです。

では、外国人観光客2,000万人を突破し、日本が観光大国へ成長するためには、どのような課題をクリアしなければいけないのでしょうか? 外国人観光客誘致のためのマーケティング、すなわちインバウンド業界に2006年から携わってきた村山慶輔氏にお話を聞いてみました。


さらなる観光立国に向けた3つの課題


課題1.イスラム教徒など、異なる文化的背景の観光客をどう受け入れる?


「円安やビザ発給緩和でマレーシアやインドネシアなどのイスラム教徒の観光客も増えている中で、日本の玄関口の成田空港が礼拝室を設けるなど、徐々に受け入れ体制はできています。しかし、構え過ぎるのもよくありません。例えば、ハラル(イスラム様式の食事)に厳格に対応すれば、膨大な手間と費用がかかります。すべてに対応するのではなく、彼らの文化を知り、どこまでそれに対応可能なのかを把握し、対応範囲をきちんと伝えることが大切です」(村山慶輔氏)

課題2.一番のお客さまである中国・韓国との関係


「政府間における外交問題の影響を受けるのが中国と韓国です。特に中国は影響を受けやすく団体客が減っていますが、その反面で個人の旅行客が増えています。中国における日本への旅行が、団体ツアーから世界的なトレンドである個人旅行に移るいい機会になったと語る中国の旅行会社の方もいました。個人を受け入れるための手法を模索していく時期に来ていると思います」(同)

課題3.必要なのは各地方へのインフラ整備


「海外の旅行博に行ったときに現地の人からよく聞かれるのが、地方への交通インフラのことです。例えば、“成田から飛騨高山にはどう行くのが安くて便利か”なんていう質問もありました。彼らの目的地が多様化している中で、地方への電車やバス、レンタカーの交通インフラが足りないですし、あっても情報が行き届いていません。交通インフラをどんどん整えて、発信していくべきではないでしょうか」(同)


ポテンシャルを考えれば世界トップ10も夢ではない


これらの課題を解決することで、外国人観光客の集客に関する日本の展望は明るいといえるのでしょうか?

「世界の観光客数ランキングを見ると、日本は33位(2012年世界観光機関UNWTOによる)ですが、日本が持つ文化などを考えれば、もっともっと上位に入れます。具体的には、23位の韓国はもちろんのこと、15位のタイなどの東南アジアの国より上位に行けるポテンシャルはあると思っています」(同)

日本には、もっとたくさんの外国人観光客を受け入れる可能性が秘められているようです。では、参考にすべき国はあるのでしょうか?

「同じ島国という面で考えると8位のイギリスを見るといいでしょう。よく、日本は島国だから1位のフランスのような観光超大国にはなれないといわれます。しかし、イギリスは3,000万人近くの観光客を受け入れている。イギリスの周辺に欧州諸国があるように、日本にも中国を筆頭にしたアジアマーケットがありますので、イギリスを目標にするのがいいと思います」(同)

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、日本の観光業界がますます盛り上がりを見せていくことは間違いないようです。その中で、企業として、またビジネスパーソンとして、その機運をどう生かしていくのか。20代の皆さんにとってもビジネスチャンスなのかもしれません。

(識者プロフィール)
村山慶輔(むらやまけいすけ)/株式会社やまとごころ 代表取締役。兵庫県生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校出身。在学中、異文化交流に強い関心を持ち、20カ国以上を旅行。大学卒業後、インドにて半年間のインターンシップを経験。2000年アクセンチュアに入社。地域活性化プロジェクト、グローバルマーケティング戦略等のさまざまなプロジェクトに従事。2006年同社を退社。2007年にインバウンド観光に特化したBtoBサイト「やまとごころ.JP」を立ち上げ、ホテル・小売・飲食・自治体向けに情報発信、教育・研修、コンサルティングサービスなどを提供している。2013年朝日新聞出版AERA「アジアに勝つ日本人100人」選出。東京観光財団アジアセールス委員会委員長をはじめ、インバウンド関連諸団体の理事を多数兼任。

※この記事は2014/02/03にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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