マンガはキャリアの教科書! 20代のうちに読んでおきたい仕事マンガ5選

私たちのキャリアにヒントを与えるマンガがあります。単なる娯楽としてマンガを読むのではなく、働き方を考えるきっかけにしてみませんか?

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マンガはキャリアの教科書! 20代のうちに読んでおきたい仕事マンガ5選
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私たちのキャリアにヒントを与えるマンガがあります。単なる娯楽としてマンガを読むのではなく、働き方を考えるきっかけにしてみませんか?

今回は『仕事マンガ!―52作品から学ぶキャリアデザイン―』の著者で、法政大学キャリアデザイン学部准教授の梅崎修さんに、ビジネスパーソンが20代のうちに読んでおきたいマンガを5作品選んでもらいました!


長期雇用の前提が崩れた時代の、キャリアの教科書


1.『グラゼニ』原作:森高夕次、漫画:アダチケイジ、講談社

野球マンガだからといって「魔球を考える!」というのではなく、選手が年俸を上げていく話。年俸2000万円、3000万円くらいから始まるんですけど、「明日には解雇されているかもしれない」ということを考えると、生涯所得でいうとやばいんですよね。だから主人公の凡田夏之介は、プロ野球選手とはいえ、お金の計算をして長期キャリアを展望しなきゃいけない。

これって、長期雇用のレールに乗っていない人には超リアリティのある話ですよね。安定した雇用が保障されているわけじゃないから、自分で自分のキャリアをデザインしなくちゃいけない。このマンガは「夢を見ましょう」じゃなくて、「とはいえシビアなんだぜ」「ちゃんとお金の計算していこうぜ」ということを訴えているので、若いうちに読んでおいたほうがいい。そういった意味で、最高のキャリアの教科書と思います。


雇用が流動化した時代のリーダー像を学ぶ


2.『GIANT KILLING』漫画:ツジトモ、原案・取材協力:綱本将也、講談社

タイトルの「GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)」とは、「番狂わせ」「大物喰い」を意味する言葉。この作品では、大物喰いが好きな監督が弱小プロサッカークラブを率い、強豪クラブ相手に奮闘していく姿が描かれています。

作品中に面白いエピソードがあるんです。他チームから選手の引き抜きがあるときに、普通だと「チームを裏切るなよ」となるところを主人公の達海(たつみ)監督は、「外に行くとこんなメリット、残ったらこんなメリットがある」と情報を公開する。結局選手は出ることを選択するので、普通の感覚で言うと「マネジメント失敗じゃん」となるのですが、違うんです。縛りを強くすると残った人に対して不信感を与えちゃうわけですよ。

長期雇用が前提だった時代には、たとえば「あの人の評価は納得できない」というときも、5年後10年後につじつまを合わせるということができた。しかし雇用形態が変化したいま、今期の人事評価の問題は今期解決しないと社員は辞めてしまうし、新しい人材も集まらない。つまり雇用が流動化することにより、より細かなコミュニケーションが必要になります。だからちゃんと評価基準を説明するとか、目標を見せてあげるとか、細かくメンバーをマネジメントするリーダーが求められているんです。そういう意味で主人公の達海は、現代における理想のリーダーなんじゃないかと思います。


組織の中で空回りするペンギンに自分を重ねる


3.『バケツでごはん』漫画:玖保キリコ、小学館

舞台である上野原動物園の動物たちは、実は人間の言葉がしゃべれて、人間を喜ばせる仕事をするために動物園まで地下鉄で通勤しています。主人公の「ギンペーくん」はちょっと不器用なペンギン。この人(?)が中途採用で動物園に入ってくる設定なんです。最初のうちは「俺どうせ中途だから」とか言っていて、でも少なくともヘッドハンティングでやってきたパンダに負けたくないから頑張るのですが、周囲からは浮いちゃう。「あいつなんかちょっと暑苦しいよね…」と。空回りしてるんですね。

この作品が連載されたのは1993年から1996年。だからバブルが崩壊したちょっとあとに公開されたギャグ漫画なんですけど、日本的雇用の揺らぎがマンガの中に反映されているんです。中途組やヘッドハンティングされたエリート組、長期雇用組など多様な人が会社にいる中で、リーダーシップを発揮できないんだけど頑張っていく、というところに「俺も分かるよ!」と共感できて、すごく癒やしになるマンガです。


サザエさんのあとに読みたい「ネオ根性論」マンガ


4.『重版出来!』漫画:松田奈緒子、小学館

主人公の女の子は体育会系女子黒沢心(通称こぐまちゃん)。その熱意で出版社に入り、編集道を極めるためにその暑苦しいパワーだけで仕事を勝ち取っていくという、超前向きマンガです。

僕がおすすめなのは、日曜日に『サザエさん』を見終わったあとにこのマンガを読みましょうと(笑)。「明日仕事か、ブルーだな…」というとき前向きになれるんです。根性論ぽいのですが、おじさんが根性論語ると暑苦しいじゃないですか。でもこういうふうにマンガでギャグも入りながらだと、素直に受け入れることができる。そういう意味で「ネオ根性論」的マンガですね。いまの「悟り系」の若者は、これを読んでまず動いてみたら? と思います。

仕事と家庭のバランスを「プロの父」から学ぶ


5.『プロチチ』漫画:逢坂みえこ、小学館

いわゆるワークライフバランスを考えるきっかけになるマンガです。『プロチチ』で描かれるのは完全な逆転家族。夫は主夫で、妻は大手企業で働くプロ編集者。この手の子育て専業主夫ものは結構ありますが、このマンガが面白いのは、夫がアスペルガー症候群なんです。勉強はできていい大学も出て、大企業に入るんだけど、空気読むことが全くできなくて辞めることになる。そんな夫が子育てを通して人間関係を学んでいくプロセスが描いてあります。

「ワークライフバランス」という考え方や制度が整ってきても、根強いのは個人の性的役割分業意識や態度ですよね。景気は5年、制度は10年で変わりますが、育った環境を通じて形成されてきた態度や意識が変わるには20年30年かかる。個人がこれまでの価値観を改めて、仕事と家庭のバランスを考えようと思っても、親くらいしかロールモデルがないんです。そこで、子育てにとって大事なことを主人公がひとつひとつ不器用に学んでいく『プロチチ』は、ひとつのモデルになる。だから子どもを持ったことのない独身男性も、取りあえず読んでおくといいですね。

マンガでキャリアを見つめ直そう!


最後に、梅崎さんに「マンガからキャリアを考えることの意義」を聞きました。

「ビジネス書や自己啓発本に書かれているのはすごい人の話ばかりで、『自分はこうはなれない…』とへこんでしまうこともある。それに対してマンガには、ダメなやつを肯定するカルチャーがあります。だから自分と重ね合わせて『あるある』と共感しやすいんですね。“理想”ではなく“リアル”な自分のキャリアを考え直すうえで、マンガは有効なツールなんです」

自己啓発書が「理想を見つける」ツールであるならば、マンガは「現実を見つめる」ツールなのですね。さぁ、皆さんもぜひ、マンガでキャリアを見つめ直してみてはいかがでしょう。

識者プロフィール
梅崎修(うめざき・おさむ)/ 法政大学キャリアデザイン学部・准教授。1970年生まれ。2000年大阪大学経済学研究科博士後期課程修了(経済学博士)、同年政策研究大学院大学オーラル政策研究プロジェクト研究員、2003年法政大学キャリアデザイン学部専任講師、2007年より現職。映画やマンガなどの文化コンテンツを楽しみつつ、現代における企業のキャリア管理と個人のキャリア形成の接点を探る。近著に『GIANT KILLING チームを変えるリーダーの掟』(あさ出版)。

※この記事は2014/12/03にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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