【小室淑恵のワークライフバランス術】仕事もプライベートも充実させるための5つのメソッド

世界から見ると日本人は「よく働く」とか「働き過ぎ」という印象を抱かれています。どうして日本人は海外の人に比べて、プライベートの時間を確保するのが苦手なのでしょうか。

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世界から見ると日本人は「よく働く」とか「働き過ぎ」という印象を抱かれています。どうして日本人は海外の人に比べて、プライベートの時間を確保するのが苦手なのでしょうか。

自分の業務時間を効率化させるにはどうすればいいのか。そしてワークライフバランスを整えるとは、どのようなことを指すのか。株式会社ワーク・ライフバランス代表である小室淑恵さんにお伺いしました。

日本は「週50時間以上働いている人」の割合が世界で一番高い国でありながら、労働生産性(一人当たりの付加価値額)では、先進国中で最下位なのです。夕方には帰宅して、長い休暇を取り、毎日家族と食卓を囲むことが当たり前、という働き方が一般的であるフランスやイタリアの方が、日本よりも労働生産性が高いというのが現実なのです。今回は、働く時間の使い方を効率化させ、ワークライフバランスを整える方法についてお教えします。

20代の「ワークライフバランス力」とは、自身に付加価値を付けること。


まず「ワークライフバランス力」とは何かをあらためて考えてみましょう。今この文章を読まれている20代の方はまだ若く、自身の仕事におけるスキル不足・知識不足を実感している人も多いのではないでしょうか。そうした自分の足りない側面を補うため、読書をしたり、勉強会に出たり、自己投資をして成長したいと思っている人も中にはいるでしょう。

それに比べて、ただ仕事に追われ、漫然と時間が過ぎていってしまっている人はとても危険です。なぜなら現代の日本社会では、仕事以外で培った経験がない限り、その人ならではの付加価値は生まれず、キャリアアップや志す分野への転職は難しいのが実情なのです。だからこそ、きちんと「ワーク」の時間を制限し、「ライフ」の時間を確保することが求められているのです。

「ライフ」において、自分磨きの時間を持つことで、「ワーク」におけるアイデア・創造性も生まれます。つまり「ワーク」と「ライフ」は切り離して考えるべきものではなく、相互に影響し合っているものだと認識しておきましょう。

現状の時間の使い方を「見える化」させる。


【メソッド1】残業する人=「頑張っている人」という認識を変えよう。


弊社では、18時には全員強制退社というルールを定めています。そうすることで、業務時間内をいかに効率化させるかという知恵を絞るようになります。なぜなら、残業を認めると「同じ業務時間内で倍の仕事をこなす先輩に近づくには、どうすればいいか」というタイムマネジメントを考えず、残業時間で仕事の足りない部分をカバーする癖がついてしまうからです。

仕事の“質の低さ”を“時間”で帳尻合わせすると、「ライフ」の時間を確保しにくい働き方が染み付いてしまいます。このリスクを避けるため、弊社では残業することをマイナス評価とする制度を設けています。仕事の不出来を量でカバーするのではなく、質を高める鍛錬をすることで、仕事の生産性がぐんぐん上がっていくのです。

【メソッド2】一日を振り返り、タイムマネジメントの癖をつける。


労働の生産性を上げるために、まずは自分の一日の時間の使い方を知る必要があります。タイムマネジメントが苦手だと感じる人は、朝起きた時間から寝るまでを、15分単位で思いつく限り記してみましょう。それが終わったら、明日の予定も立てます。誰かとのアポイントメントや外出予定だけではなく、社内での時間の使い方も含めて書き出します。そして、その日の晩に一日のスケジュールを振り返ることで、時間の使い方のクセを知りましょう。これを毎朝と毎晩の習慣にするようにすればいいのです。

実際に立てた予定通り一日を過ごせたかをチェックすることで、自身の時間の使い方の弱点を明確に把握でき、次第に時間の見積もりの精度も上がっていきます。「仕事ではうまく時間を切り盛りしているはずなのに、オフィスを出るとルーズになる…」という人も多いと思いますので、ワークライフバランスの観点から考えると仕事だけでなく、私生活の時間についても同様に振り返ってみることをオススメします。

【メソッド3】朝メール/夜メールをチームで習慣化する。


弊社ではこの「時間割」を朝に、一日の予定を夜に、さらに、その日一日実際にどう動いたかと、翌日の予定を社員全員でメールを使って共有する習慣をつくっています。こうすることで、全員がタイムマネジメントをできるようになるだけでなく、上司の決裁をもらいやすい時間を把握できたり、仕事の重複を発見できたりと、チーム全体の効率化にもつながります。

人生に異なる二本の柱を持つ方が、一つ一つを大切にできる。


【メソッド4】後ろ髪をひかれるように帰る/出社する。


私には現在息子がおり、育児と社長業を行っています。私にとって、この二つが人生の大きな柱です。毎日どれだけ仕事の効率を高めても、18時の退社時間には仕事をやり残したと感じてしまいます。その「もっと時間があればいいのに」という、ちょっとした「飢餓感」みたいなものを持たせることで、明日へのモチベーションにもなるのです。これは、働く時間にリミットを設けているからこそ生まれる感覚だといえるでしょう。

朝保育園で、「もっと一緒に過ごしたかった」と名残惜しい気持ちを抱きながら、子どもを預けて出社し、仕事時間内を目一杯働いて、会社から退社するときには、明日にはこうしたいといった課題を残すことで、「ワーク」も「ライフ」も100%充実させる気持ちを高められるのです。

【メソッド5】「ライフ」にも人生の柱となるモノを見つけておく。


多少「ワーク」で嫌なことがあっても「ライフ」にも大きな柱を持つことで、気分のリフレッシュや思考の転換になることはもちろん、見えなかった部分が見えてきます。人間何か一つだけを打ち込むというのは、とてもしんどいものです。二つの柱を持って、行き来することが、その両者を嫌いにならずに上手に向き合うための秘訣(ひけつ)です。

「ライフ」を顧みない「ワーク」は、仕事の生産性を高める必要性が生じません。また逆に「ワーク」の生産性を高めない限り、充実した「ライフ」は送れないのです。このサイクルを理解して、「ライフ」にも「ワーク」にも自分の柱を持って、その瞬間瞬間を全力投球する人こそが、ワークライフバランス力のある人なのです。

PROFILE

小室淑恵/株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長。日本女子大学卒業後、資生堂に入社し、社内起業家として社内外から脚光を浴びる。資生堂退職後、2006年に株式会社ワークライフバランスを設立。開発した育児・介護・私傷病による休業者の職場復帰支援プログラムarmo[アルモ]は導入企業数400社を超える。主著に『全員成果を出して定時で帰る会社の毎日楽しく働く秘訣』(中央公論新社)など。

※この記事は2013/12/11にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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