キャリアアップには必須スキル? やる気を向上させる「メンタリング・マネジメント」とは

目標を設定し、達成に向けてチームを動かす。こういった「チームマネジメント」では、「チームのモチベーションを保ちながら目標達成に向けて行動すること」が重視されます。

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キャリアアップには必須スキル? やる気を向上させる「メンタリング・マネジメント」とは
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目標を設定し、達成に向けてチームを動かす。こういった「チームマネジメント」では、「チームのモチベーションを保ちながら目標達成に向けて行動すること」が重視されます。

そんなキャリアを形成するうえで必要なマネジメント力ですが、なかなかチームをよりよい方向へ引っ張っていくというのは難しいもの。

そこで今回は、チームの生産性を最大限に高めることができるといわれている手法「メンタリング・マネジメント」について、株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 代表取締役の鈴木秀一さんに伺います。


メンタリング・マネジメントとは


まず、「メンタリング・マネジメント」には、メンタリングという手法とメンターという存在が関わってくると鈴木さんは説明します。

「メンタリングとは、人が本来持っている可能性を最大限に発揮することができるように支援するための手法であり、メンタリング・マネジメントは、そのメンタリングを活用することで相手をやる気にさせ、チームの生産性を最大限に高めることができるマネジメント手法です。そして、そのリーダーの役割を担う存在をメンターと呼びます。

メンタリング・マネジメントでは、リーダーであるメンター自らが能動的に行動する『自立型人材』を実践している姿を見せ、相手の可能性を信じ、貢献できるすべてのことを実行して支援します。このように、組織の中にメンターが存在することで、チャレンジすることが楽しいと思える組織風土がつくられ、教えずして人を育てることができる環境が生まれるのです。

こうしたメンタリング・マネジメントを行うことによって、チームメンバーは目的を達成するための自立的な姿勢(他人に依存せず、自分で考え、行動できる能力)を身につけることができ、チームの生産性を最大限に高めることができます」


メンタリング・マネジメントを実践するメリット


「メンタリング・マネジメント」という手法のメリットについて、鈴木さんは次のように語ります。

◎働くことを誇りに思うことができる


「私が行っているメンタリング・マネジメントの中に『理念体験ムービー』というものがあります。これは、会社の中で日常的に起きている感動体験をストーリーにしてムービー化したもので、出てくるのは、日常の職場で一生懸命に働く人たちの姿。このように、会社の企業理念を表示することで、実際の体験事例を通じて企業理念を理解することができます」

◎部下の自発性を引き出すことができる


「目的を達成するために、部下を思い通りにコントロールしながら問題解決をこなしていくマネジメントを『コントロール型マネジメント』といいますが、近年、こういった『管理』を重視したマネジメントが原因で、精神的に行き詰まってしまう人が増えています。それは、常に短期の目標が掲げられ、その達成を厳しく求められる状況が続いてしまっていることが要因です。

人をコントロールすればするほど、社員は自発性を失い、言われたことしかやらなくなります。その状況が続くと、社員は自分から考えて行動しなくなってしまいます。つまり、問題が絶えない企業の根本的な原因は、『社員の仕事に対する意識』にあるのです」

しかし、メンタリング・マネジメントを身につけることで、社員の自発性を高めることができ、組織風土の改善が見込めるのだそうです。

「一人一人が自分で考え行動するようになれば、上司は細かい仕事まで管理する必要がなくなり、部下は自ら新しい方法を考え出すようになります。そういった自発的な姿勢があれば、たとえ問題が起きたとしても、その場で行動し解決するようになります」


20代のビジネスパーソンが「メンタリング・マネジメント」を取り入れるには


鈴木さんによると、メンタリング・マネジメントを取り入れるには、何のために仕事をしているかという「企業理念」を理解し、まずは自身がやりがいを持って働くことが重要なのだそうです。

「組織全体を活性化し、その生産性を最大限にするためには、『企業理念に共感したメンバーで組織を構成し、その達成のために一人一人が自発的に行動し、相互に支援し合う組織である』という条件があります。これらを実現するためには、個々の人が『自分が何のために仕事をしているか』を理解していなければいけません。

例えば、コールセンターの仕事の場合。

『私の仕事は、商品の不満を聞くつらい仕事です』

『私の仕事は、その商品を有効に使っていただき、楽しい体験をしてもらうやりがいのある仕事です』

同じ仕事を説明しているにもかかわらず、このように異なる姿勢で取り組んでいる人がいるのは、『何のために仕事をしているのか』という意識の差によって生まれます。この意識を忘れると、仕事が『目の前のことを自分のためだけにやる作業』になってしまいます。一方、企業理念に基づいて行動している社員にとっては、すべての仕事はやりがいになります。

しかし、現実では忙しさに追われるばかりで、仕事に誇りを感じているのかどうか、分からなくなってしまう人もいるでしょう。これは、働く意味や目的を共有する機会が少ないからです。全員で目指すべき企業理念が形だけになり、目の前の仕事との関連性が分からないまま忙しさに追われるのはとてもつらいことだと思います。

だからこそ、企業理念がすべての仕事に反映され、どのような仕事にも大切な意義があることを常に認識できるような機会を創出するマネジメントが必要になってくるのです」

まとめ


個人・チーム問わず、生産性を上げるうえで大事なのは、自分の仕事を理解し、やりがいを持って働くということです。

今の会社で、マネジメントに課題を感じている方は、自らが能動的に動き仕事をするという「メンタリング・マネジメント」の考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

識者プロフィール
鈴木秀一(すずき・しゅういち) 株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 代表取締役社長 一人一人が夢と志を持ち、自分の可能性を見いだすことで、主体的に生き生きと輝くと同時に、お互いが相手を支援し合う自他尊重社会の実現を目指し活動。 メンタリング・マネジメント研修に加え、セミナーやイベントなども開催している。

※この記事は2016/07/06にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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