みなぎるパワーが成功の秘訣! 躍進する日本のグローバル企業「ビィ・フォアード」

株式会社ビィ・フォアードでは、越境ECサイト(海外向けの外国語ECサイト)を運営しています。

スタディ 雑学
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株式会社ビィ・フォアードでは、越境ECサイト(海外向けの外国語ECサイト)を運営しています。

同社が販売しているのは中古車で、「BE FORWARD.JP」にはトヨタ、日産、ホンダといった日本メーカー製のものから、メルセデスベンツ、BMWといった会社まで、たくさんの車種が豊富に取り揃っています。

2015年6月期には売上高約492億を達成。主な商圏となるアフリカでは「BE FORWARD」の名前が広く知れ渡っています。短期間でアフリカビジネスを成功に導いた秘訣(ひけつ)について、ビィ・フォアード代表の山川さんにお話を伺いました。


車に白熱し抱えた借金800万円を、20代で完済したのち会社を設立


―山川さんの社会人生活は、自動車販売会社での自動車ディーラーからスタートしています。

大学在学中から自動車が好きで、競技者としてカーレースにも熱心でしたね。しかしモータースポーツはかなりのお金がかかるもので、その費用を捻出しているうち、800万円の借金を抱えるようになってしまったのです。

自動車販売会社に勤務していたころも、昼は自動車ディーラーとして働き、夜は今でいうホストクラブのようなところでアルバイトをしていました。しかし、借金完済までは長い道のりがあり、3年半勤めた自動車販売会社を退職。その後は、運送業や宝石販売の仕事も経験しています。

―山川さんの著書を読ませていただきましたが、自動車販売会社では営業のノウハウを十分に習得し、同社ではトップセールスを達成したそうですね。そのため、その後に入社された中古車買取業・カーワイズでもなかなかの好成績をあげられたのだとか。

はい、カーワイズに入社したのは26歳のときのことです。とにかく、目一杯働き、そのころには800万円の借金もすべて返済できました。

しかし一方で、サラリーマンで一生を終えるのではなく、「いつの日か独立したい」という気持ちが次第に大きくなっていったのです。そうして独立を希望する社員を応援してくれたカーワイズの後押しもあり、1999年、中古車買取会社「ワイズ山川」を設立しました。


越境ECに着眼した理由


―中古車買取を事業として行いながら、新たな商機として海外への輸出販売に着目。2004年、株式会社ビィ・フォアードを設立されています。なぜ中古車の輸出販売をしようと考えたのですか?

ワイズ山川では、町の車屋さんから中古車を買い取り、その車をオークションに出品します。これが「業販」という取り引きのスタイルです。

ですので、度々オークション会場にも足を運ぶこととなるのですが、ある日、通常なら20万円くらいしか値がつかない車を、50~60万で落札していく人がいるのを見たのです。彼らはパキスタンなど、海外から来ていたバイヤーでした。

海外では日本の中古車がそれだけの需要で迎えられていることを目の当たりにした瞬間でした。

約3割は外国籍。国籍はバラバラ、でも目指す方向性は同じ。多くの同志たちが集まり仕事に集中している。


―ではなぜ、インターネットでの販売に着眼したのでしょうか。

僕らが引き取った自動車を自社のポータルサイトで掲載していたのがきっかけです。

かなりの走行距離に達し、廃車寸前の車だったのですが、そんな車でも海外のお客さんから買い取ってもらえた。まさか、と思いました。

その後も同様に中古車を掲載するたびに売れていき、もしかしたらインターネットを介した販売というスタイルには大きな可能性があるのかも、と考えるきっかけになりました。

特に新興国であるアフリカは、日本と真逆で人口が増え続けており、経済成長もめまぐるしい。そんな中、生活する上で車は必要となっているものの、日本のようにメーカーが多いわけではないし、新車は高額なため簡単に購入することができません。たとえ走行距離が多くとも、低価格な中古車の方がニーズはあるわけです。

また、海外のディーラーの中には状態が悪く、とても乗車できる状態じゃなくても、それを隠したまま販売する悪質な業者もいます。だから、購入しても乗ることができない。そんな状況を打破するため、「BE FORWARD.JP」をスタートさせました。

―海外向けECサイト「BE FORWARD.JP」の強みとは?

例えば、タンザニアにダルエスサラームという港町があります。ここで暮らす方が海外から車を購入するとなった場合、普通であれば手元に届くまでどれくらいの輸送コストがかかるか、想像もつかないわけです。そもそもインターネットを介した自動車の販売では、車の値段すら伏せているのが当たり前でした。

しかし「BE FORWARD.JP」で購入いただければ、車の価格はもちろん、お手元に届く費用まですぐにわかる。トラッキングサービス(配達状況追跡)も備えています。これらはECサイトとして今となっては当たり前のことですが、当時の中古車販売の世界ではそうしたサービスを提供すること自体が珍しかったのです。

うちはお客様に前払いで購入代金を支払っていただいておりますが、その信頼があるからこそのことだと思っています。

―サイトの月間PVは約6000万PV。取引実績国は124カ国に達し、年間約14万6000台・年商492億(うち約10万1000台・335億がアフリカで売れたもの)に達した年もあるそうで、これはかなり驚異的な数字です。

ここまでの数字は予想していなかった、というのが正直なところです。国内での車の買い取りに関して、僕は日本一だと自信を持っていたのですが、あるとき「輸出でも日本一になってみるか」なんて冗談で言っていたほど。それがたった数年間で本当に実現してしまいました。

もちろん、サイトのPVが高いだけでなく、アフリカ地域を中心に世界で約70万人のお客様がいて、それらの地域には当社の公認エージェントオフィスを置いています。物流の担い手として、特に新興国で雇用を生んでいる点も評価していただいているようです。

多くの賞状やグッズが並ぶ。


壁には民族衣裳も。


―ここまでの道筋には、ブランディングの面で成功を収めたことが大きかったようですが。

「BE FORWARD.JP」で購入した中古車には、オレンジ色の文字で刻まれた「BE FORWARD」のロゴ入りステッカーが貼られ、その車が街の中を走行します。

結果、ビィ・フォアードはアフリカのさまざまな国で「トヨタよりも知られている会社」と言っていただけるようになりました。購入者様にはTシャツをプレゼントするなど、海外を商圏とした場合でも、お金をかけずに行うブランディングが必ずあると考えています。


山川さんが理想とする商売の姿


―「BE FORWARD.JP」を介して海外、特にアフリカの方々が自動車を購入できるようになることは、大きな社会貢献にもつながります。

とくに新興国では電車のなどの交通網が整備されていないところが多いですからね。ハイクオリティーの日本車を入手すれば、それだけで生活が一変するでしょう。

これまで海外の方が日本の車を購入するとなれば、間に仲介業者が何人もいて、業者間で売買しているうちに輸送費もかかり、その分、購入価格も高くなってしまうのが実情でした。しかしECサイトで購入することで、欲しい人に適正な価格で商品を提供できるようになります。

僕は、今やっている仕事のあるべき姿を考えるとき「それ、欲しい!」「売ってくれ!」と言ってコンテナに人が群がっているような風景を思い浮かべます。

必要としている人に、適正な価格で販売するのが、僕の理想とする商売の姿勢なんです。

必要としていない人になかば強引に売るような商売なんて、やっていたらダメ。彼らが本当に必要としているものを、このECサイトから購入できるようにし続けていきたいです。


“ビィ・フォアード”なチーム力で、世界を変えていく



「いつか果たしたい夢はありますか?」との問いに「Amazonに勝つこと!」と山川さん。ビジネスに懸ける山川さんのがむしゃらさは、きっとこの瞬間も世界の誰かを幸せにしているはず。

「ビィ・フォアード」、その名の通り前へ前へと突き進む会社。

数々の仕事を経験し、多くの苦労をしながらも自分の力で着実に道を切り開いてきた山川さん。だからこそ、誰かのために仕事をしたいという思いは人一倍強く、その思いがサービスを向上させるスパイスになっているようです。

なお社内は部活動が盛んで、山川さんもほとんどの活動に参加しているのだとか。つい先日は、草野球の球場にフェラーリに乗った山川さんが颯爽と登場したそうです。多様な国籍が集う職場だからこそ、こうしたオン/オフを切り替えた交流がチームの原動力になっています。

山川さんを先頭にして、その熱い志と明確な目標を請けた社員たちが一丸となり、日々邁進し続けていることが、結果として会社の驚異的な成長スピードを押し上げていました。同社は今後も常に挑戦を続け、日本を、いや世界を驚かすような新たな記録を更新していくことでしょう。

ガハハと豪快に笑う山川さんの笑顔からは、優しさと鋭い強さの両極面が垣間見えました。

識者プロフィール
山川博功(やまかわ・ひろのり)
株式会社ビィ・フォアード代表取締役
1971年鹿児島県生まれ。明治大学文学部を卒業後、東京日産自動車販売株式会社に入社。 同社営業職として数々の社内表彰を授かる。97年株式会社カーワイズ入社。99年にはワイズグループの中古車買い取り店として有限会社ワイズ山川を独立起業。同社で自動車輸出業を事業化し、2004年にワイズ山川から株式会社ビィ・フォアードを分社化。創業10年間で、アフリカをはじめとする世界100カ国あまりに年間12万6000台を超える中古自動車を輸出。その手腕は国内外で評価され、テレビ出演も多数。著書に『グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業』(講談社+α新書)、『アフリカで超人気の日本企業 アフリカビジネスで急成長!ビィ・フォアードの成功哲学』(東洋経済新報社)がある。

※この記事は2017/02/20にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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