外食業界の要は外国人客! グローバル化を促進する「ぐるなび」の海外向け戦略とは

2020年の東京オリンピックを控え、昨今の日本では海外向けサービスの発展が期待されています。そんななか、一足先に飲食店のグローバル化を進めているのが、飲食店情報検索サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびです。

スタディ 雑学
外食業界の要は外国人客! グローバル化を促進する「ぐるなび」の海外向け戦略とは
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2020年の東京オリンピックを控え、昨今の日本では海外向けサービスの発展が期待されています。そんななか、一足先に飲食店のグローバル化を進めているのが、飲食店情報検索サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびです。

ぐるなびでは昨年、これまで翻訳が難しかった飲食店の日本語メニューを簡単に多言語表記できる「メニュー情報一元変換システム」の提供を開始。これにより多言語対応が困難だった飲食店へも、外国人観光客の流入が進んでいるのだそうです。

そこで今回は、自動変換システム誕生の経緯や、グローバル化による今後の外食業界について、ぐるなびグローバルグループ・グループ長の水野裕敬さんに伺います。


ぐるなびが導入する「メニュー情報一元変換システム」


2015年1月19日から加盟飲食店への提供を開始した「メニュー情報一元変換システム」は、飲食店情報検索サイト『ぐるなび』に掲載されているメニュー情報を、自動で4言語(英語・繁体字・簡体字・韓国語)に変換することができるサービスです。



「1996年より約20年間、『ぐるなび』に蓄積されたメニュー名は約900万にも及びました。そこで誤字などを整理してまず約280万メニューに、そして重複を除いて約7万メニューに絞り込みました。さらにこれをベースに、約2,300メニューを確定し、メニュー情報一元変換システムの辞書に登録しました。

例えば、『ソースかつ丼』『◯◯県産△△ポークのロースカツどんぶり』『ヒレカツ丼』など、同じカツ丼でもさまざまなメニューの表記がありましたが、これらを全て『カツ丼』に統一して辞書に登録し、画像や食材情報でそれぞれのメニューの違いが表現できるようになっています」(水野さん:以下同じ)

加盟飲食店は、自店の管理画面で日本語のメニュー名と、注文の際に外国人客が読み上げられるようにローマ字表記でメニュー名を登録した後、管理画面に登録された約2,300のメニュージャンル、約1,000の食材、約400の調味料、40の調理法のうち、該当するものを日本語で選択または入力。この作業により、自店の外国語版ページに4言語に変換されたメニュー情報を表示させ、簡単に情報量豊かなメニューページを作成することが可能になるのだそうです。

上の画像のような入力画面で情報を選択・記入すると、下の画像のようなメニューが出来上がる


「メニュー情報一元変換システム」導入によるメリットについて、水野さんは次のように語ります。

「外国人ユーザーにとっては、食材情報や調理方法情報を頼りに、どのようなメニューか判断することができるようになり、ベジタリアンなど食材の制限のあるユーザーにとっても、飲食店を選ぶ際の手がかりとなります。また、加盟飲食店にとっては、翻訳にかかる時間やコストを削減することができ、外国人ユーザーに対し自店のメニュー情報を正確で詳細に、かつリアルタイムで伝えることができるようになります」


「翻訳をしない」ことで生まれた革新的システム


ぐるなびでは2004年から、既に外国語版を提供開始していましたが、実際には飲食店の方が新たなメニューを登録しても、その都度専門スタッフを介して翻訳を行う必要があり、大変な労力とコストがかかっていたといいます。

そんななか、訪日外国人旅行者の増加を見据え、2013年より「ぐるなび外国語版」のリニューアルが検討され始めたのだそうです。

「『ぐるなび』が独自に外国人に調査した結果では、多くの外国人が『日本の飲食店のメニューは、何が書いてあるのか分からない』という不安を抱えていることが分かりました。また、これまでは複雑なメニュー名だと正確な翻訳が期待できなかったり、翻訳する専門スタッフによって訳し方が異なったりと統一がとれていないこともありました。

そうした課題から、食材情報や料理についての説明を正確・詳細に発信するために、『ぐるなび』では逆説的に“翻訳をしない”ことにしたのです。外食のメニュー、食材、調味料、調理方法をカバーし、加盟飲食店がそのなかから適切な言葉を選ぶことができる専用の辞書『メニュー情報一元変換システム』の開発・導入に至ったのです」


外食業界に求められるのは情報インフラの確立・推進


しかし、日本の食文化におけるグローバル化の現状について「外国人客の方にとって、日本はまだ、その豊かな食文化を手軽に楽しめる環境にあるといえません」と水野さん。それでは海外向け戦略をとるうえで、外食業界に求められていることとは一体どのようなことなのでしょうか。

「オリンピックが開催される2020年に向けて、この状況を改善していくためには、増加が予想される海外からの訪日観光客に対してより柔軟に対応していかなければなりません。そのために、各飲食店がそれぞれの受け入れ体制を整備していくとともに、多様な情報を外国人客向けに整理し、分かりやすく伝えられるインフラを確立・推進していく必要があると考えています」


グローバル化によって変化していく飲食店のあり方


最後に、訪日観光客の増加など、グローバル化が進むことで、今後外食業界はどのように変わっていくことが予想されるのか、水野さんに聞きました。

「少子高齢化により日本の人口が減少していくなかで、日本人客のみに頼っていては外食業界の市場は縮小してしまうため、今後は急増する外国人客を取り入れていくことが外食業界にとって経営の大きな柱になると考えています。

現在は飲食店の食事を楽しんでいただくことが中心ですが、外国人客がすし店のカウンターに入ってすし職人に握り方を教えてもらい、自分で握ったすしを食べたり、和食店でだしの取り方や、だしの違いを学んだりといった、飲食店での体験型プランへの発展も既に進んでいます。今後は、飲食店が土産品や食材の販売、地方の観光情報案内所の役割をも担えるのではないかと考えています」


今後は飲食店での国際交流も当たり前に?


訪日観光客の増加やメニューの多言語対応などによって、海外の人にもより開かれた存在となりつつある日本の飲食店。入ったお店で海外からの観光客と当たり前のように国際交流ができる日もすぐ近いかもしれません。


「ぐるなび」プロフィール
飲食店情報検索サービス。現在は訪日観光客向けサービスとして、オンラインで手軽に飲食店の予約ができる「ネット予約の実装」や、多言語に対応できる専門のコンシェルジュスタッフを増員し、飲食店予約の手続きなどを厚くサポートする「外国人向けレストランコンシェルジュの拡充」、すし握り体験や和食の料理教室といった外国人客に人気の高い食体験ができる飲食店情報をはじめとした食体験イベントの開催店舗紹介を行う「Japan Gourmet Experience」など、多彩な特集ページを新設。レストランを検索するだけにとどまらない、「ぐるなび」ならではのレストランガイドを構築し、外国人客の受け入れ環境づくりを整え、外国人客に日本の食の魅力を伝えるサポートをしている。

※この記事は2016/03/17にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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