シリコンバレーで需要急上昇中! 「グロースハッカー」ってどんな仕事?

いまシリコンバレーで需要が急上昇している職種があります。それは従来とはまったく異なる手法と価値観でブランドを急成長させる「グロースハッカー」。

シリコンバレーで需要急上昇中! 「グロースハッカー」ってどんな仕事?

いまシリコンバレーで需要が急上昇している職種があります。それは従来とはまったく異なる手法と価値観でブランドを急成長させる「グロースハッカー」。

“ハッカー”という言葉からエンジニアやプログラマーなどの技術者を連想してしまいますが、単なる技術者ではありません。そこで今回は、近年日本でも注目を集めている「グロースハッカー」の実態に迫ります。

「グロースハッカー」ってどんな仕事?


グロースハッカーは、英語でGrowth(成長)Hackerと書きます。例えば“ライフハック(ハッカー)”が生活をより効率化させる・アップデートさせる(人)という意味で使われていますよね。つまり、グロースハッカーとは企業やブランドの成長を効率化する人、“効果的に”成長させる役割を担う人を指します。

一般的にグロースハッカーたちは、企業が成長するために最も効果的かつ効率的な方法を見つけ出し実施することを主な仕事としています。

流行のきっかけは、2012年のアメリカ大統領選



グロースハッカーが注目されるきっかけとなったのは、2012年のアメリカの大統領選でオバマ氏と相対したミット・ロムニー氏の戦略です。

ロムニー氏は献金集めのために、グロースハッカーとして実績をもっていたアーロン・ジーン氏を陣営に招きました。ジーン氏は献金を増やすため、ウェブサイトのデザイン変更を数時間ごとに繰り返すA/Bテストを実施。

このとき、サイトの画面に献金の進捗を示すバーを設置したことがカギとなり、ロムニー氏の支持者たちは、バーを100%にするために次々と献金をしていったのです。結果、ロムニー氏はマーケティング予算をほとんどかけることなく、1億8000万ドルもの献金を集めることに成功しました。

グロースハッカーはマーケターとエンジニアのハイブリッド



このように書くと至ってシンプルな仕事にも思えますが、本来グロースハッカーたちは企業の成長を加速させるために、辛抱強く膨大なビッグデータを検証し、徹底したA/Bテストを実施します。

さらに、それらを最低限のコストと短いサイクルで行い、仮説を構築しなくてはなりません。上記のアーロン・ジーン氏のように、優秀なグロースハッカーほど、広告費やマーケティング費をかけずにエンゲージメント(ユーザー数)を伸ばすことができるとされています。

また、常に失敗と改善を繰り返しながら、ときにはニーズに合わせて自社製品や手法を柔軟に変えていくこと(変えるべきだと主張すること)もグロースハッカーの仕事です。そのため、直接開発現場とコミュニケーションをとったり、アイデア出しの段階から携わったりすることもあります。

つまり、グロースハッカーとは、マーケティングの知識だけではなく、技術者としての素養も求められる、マーケターとエンジニアが融合した職種といえるのです。

グロースハッカーになるために必要なスキルとは?


グロースハッカーとそれを起用する企業が実施すべきことは、従来のような予算や期間(締切)ありきのマーケティングではありません。重視すべきことは「いくら予算をかけるか」ではなく「いかに効率的に企業を成長させるか」であり、さらに決まったパターンをまねるのではなく、手法を次々と生み出していく必要があります。

そこで求められるスキルは、ウェブサイトのボタン位置や色を少しずつ変えるなどの小さなトライアンドエラーから、全社的な戦略の見直しまで、すべきことの優先順位を決定し、素早く実行に移す行動力と、目標に至るまでに経験する数多くの失敗に耐えるタフさ。そして何より「絶対にこのサービスを成功に導いてみせる」「もっと効果的な方法を生み出してみせる」という商品・サービスへの愛情と責任感が必要だといえるでしょう。

もちろんマーケティングやエンジニアリングの知識や技術も必要ですが、グロースハッカーに多く見られるのは、起業家に似たチャレンジ精神をもった人々だといいます。

肩書きを変えただけでオファーが倍に! 日本でも需要が増える予感


LinkedInでは、肩書きを「エンジニア」「マーケター」から「グロースハッカー」に変えただけでオファーが増えたという事例もあるそうです。

シリコンバレーで「効率的な利他主義」という考え方が流行していることもあり、グロースハッカーは、効率化・ビッグデータ化が進む最近の社会情勢に則している職種といえるでしょう。宣伝広告をマスメディアに丸投げするのではなく、顧客に向き合い、商品・サービスに最も合った戦略を自ら模索していく姿は、今後の企業に求められる姿勢でもあり、これから日本でも需要が増えていくと予想されます。

効率的な利他主義についてはこちらを参照

「命を効率的に救う? シリコンバレーで注目される『効果的な利他主義』」

まとめ
グロースハッカーに求められている素質は、失敗を恐れず柔軟にプロジェクトに取り組むという、普段私たちが向き合っている仕事でも意識すべきことばかり。

非常に責任が重く、多くのスキルが求められる職種ではありますが、もしグロースハッカーを目指すのなら、日々の仕事を「さらに良いものにしたい」という向上心が何よりも重要だといえるでしょう。


(参考)
グロースハックとは何か 最もホットな仕事 グロースハッカーとは?- [Skillhub(スキルハブ)]
グロースハックとは何か~グロースハックをマスターするための究極のガイド~ | VASILY GROWTH HACK BLOG

※この記事は2016/06/20にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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