「まずは目の前の仕事を全力で。実績を作れば”やりたいこと”への道が出来上がる」kakeru副編集長 三川夏代氏の仕事観

小さい頃はもっと身近にあった、自分のやりたいこと。誰もが自分の思いに正直に行動を起こせていたはずなのに、社会人になって働き始めてから、やりたいことへのハードルを勝手に高くしてしまっていませんか?

「まずは目の前の仕事を全力で。実績を作れば”やりたいこと”への道が出来上がる」kakeru副編集長 三川夏代氏の仕事観

小さい頃はもっと身近にあった、自分のやりたいこと。誰もが自分の思いに正直に行動を起こせていたはずなのに、社会人になって働き始めてから、やりたいことへのハードルを勝手に高くしてしまっていませんか?

いつの間にか、どこか遠くへ離してしまいがちなやりたいことですが、もっとハードルを低く、一歩踏み出しやすくした方が、自分らしい「生き方」や「働き方」を実現できるはずです。

今回お話を伺った、株式会社オプトの三川夏代さんは、ソーシャルメディアコンサルタントして働く傍ら、ソーシャルメディアの可能性を追求するメディア「kakeru」を立ち上げ、副編集長も務めるなど、仕事をしながら”やりたいこと”を形にしていきました。その行動力の源泉はどこにあるのか、「kakeru」の立ち上げを背景に紐解いていきます。


【プロフィール】
2012年4月オプト入社。
ソーシャルメディア事業部チームマネージャー
kakeru副編集長
ソーシャルメディアコンサルタントとしてお客様のソーシャルメディア運営を支援。

もっと実績を作りたい。メディアの立ち上げが”やりたいこと”を実現するための手段だった



三川:kakeruの立ち上げかぁ、懐かしい……(笑)。立ち上げの主な目的は、社内に溜まってきたノウハウの共有と若者の実態調査です。ソーシャルメディア事業部として、4年ぐらい様々な会社のソーシャルメディアの活用を支援していく中で、「10,000RT(リツイート)されるツイートはどういったものか?」など、けっこうノウハウが溜まってきていたんです。でも、クライアントに還元できていなかった。

それに加えて、最近の若い子達のスマートフォンやSNSの使い方って、分からないことが多いじゃないですか(笑)?その情報はクライアントも知りたいし、私たちも知りたい。であれば、メディアを立ち上げて実態を調査すればいいんじゃないかと。クライアントにノウハウを還元しつつ、若者の実態を調べる。そのためにkakeruを立ち上げました。

ソーシャルメディアの可能性を追求するメディア「kakeru」



あとは、個人的に「三川夏代といえば、この仕事をした人」っていう実績が欲しかったんです。

-- 実績が欲しかった?

三川:入社して、3年目ぐらいのときに自分のキャリアを考えるタイミングがあって。「PR系の仕事とか面白そうだな」と思って、色々な人と話をする機会があったんですけど、ふと冷静に考えたとき、「私に出来ることって何だろうな?」と。そう思ったんです。

ソーシャルメディアコンサルタントとして、企業のソーシャルメディア運営の支援をしてきたんですけど、「三川夏代といえば、こんな仕事をしてきた」というものがない。いってしまえば、会社の看板で仕事をしてきただけだったんです。

そうした状況を踏まえて、「もっと自分ができることを増やしていきたい」と思いましたし、何より実績を作っていかなければなと。私にとっては、その思いを実現する場所が「kakeru」の立ち上げでした。会社のニーズとも合ってましたし、タイミングとしては最高だったのかもしれません。

-- とはいえ、メディアの立ち上げ…大変じゃなかったですか?

三川:大変でしたね(笑)。まず、「どうやって立ち上げたらいいんだろう?」っていう悩みはありました。色んな制作会社に話を聞いてもらっていたんですけど、自分たちのやりたいことを上手く伝えられず……。八方塞がりの状況だったんですけど、初代編集長のえとみほ(江藤美帆)さんに前に立ってもらってから、スムーズに進んでいくようになりましたね。


寝る時間以外、仕事の毎日。大変だったけど頑張れた。そこに”やりたいこと”があったから。


-- ソーシャルメディアコンサルタントとして働きながら、メディアの立ち上げも。業務の折り合いって、どうやってつけていたんですか?

三川:ぶっちゃけ、折り合いつけられてなかったです(笑)。ただ、kakeruをやっているから他の業務が疎かになってしまうのは、最悪のパターンだと思っていたので、既存の業務は今まで通り100%やりつつ、kakeruをやる。そんな状況でした。単純に仕事が増えたって感じでしたね。

結局、自分がやりたいことって、やらなければいけないことをまずはやってからでないと周りも説得できないし、仮に結果を出せたとしても、事業全体の成長には繋がらない。そんな思いがあったので、「大変だけど踏ん張ってやり切るしかない」と、何度も自分に言い聞かせて、とにかく働きました。

-- ……実際、どれくらい働かれてましたか?

三川:朝の7時30分には起きて、9時には出社。夜は終電ギリギリまで働いて。とにかく寝る以外の時間は全て仕事。そんな感じの生活をずっと続けてましたね。

-- おおお…大変ですね。

三川:大変でした(笑)。ライティングの経験もなかったので、最初の頃は色々なメディアを参考にしながら記事を書いたり……。でも、自分次第でどうにかなる。そんな状況で働くのが社会人生活で初めての経験だったので、すごく新鮮でしたし、楽しかったです。

あと、取材を通して「会いたい人に会える」というのは、私にとって何よりのモチベーションになってましたね。学生の頃は「会いたい」と思った人に気軽に会えたと思うんですけど、社会人になってからはビジネスの場でしか会えない。そこって、どうしても利害関係が働いてしまうんです。

でも、kakeruというメディアの機能を使えば、会いたい人に会える。まさにメディアの仕事をしているからこそ出来ることだと思いました。これがあったから、どれだけ大変でも頑張り続けて来られたような気がします。

初めて味わった「鯖落ち(サーバーダウン)」。あえて制約がある環境でチャレンジしたからこそ得た成功体験

 


-- 自分の”やりたい”ことって、多くの人は今とは違う環境にあると思っているような気がします。でも、三川さんは会社内で自分の”やりたい”ことを形にした。

三川:オプトは、ネット広告代理店の中でも大手に入る企業なので、それなりに知名度はありますし、部署ごとに溜まっているノウハウもたくさんある。会社のリソースを最大限活用できる。それが会社内でやりたいことにチャレンジした理由になっているかもしれません。

もちろん、新しい場所でやりたいことにチャレンジする選択肢もあると思うんですけど、土台がある場所で出来ることもあるなと。制限のある場所、制約のある状況で自分のやりたいことをどうやるのか、そこに挑戦して「会社としての新しい価値を作って行きたいな」と思ったのも1つの理由です。

-- あえて、制約がある中で挑戦する……?

三川:制約がある中で色々と物事を考える方が大変なんですけど、でもそれが楽しい。「やってはいけないこと」が多々ある中、みんなでアイデアを出し合って、解決策を探る。それで面白い企画が出てきたときのワクワク感、「よっしゃー!」みたいな感覚は忘れられないですね。

本当に低予算で出来ないことの方が多かったんです。でも振り返ってみると、逆にそうした状況だったからこそ、「高校生のスマホの中身を見せてもらう」といった足で稼ぐ企画が生まれたのかもしれません。

この記事、そんなに読まれると思ってなかったんです。サーバーが落ちてびっくりしましたね。まさか、こんなに多くの人に読んでもらえるメディアになるとは(笑)。

-- 制約がある中で挑戦したからこそ、得られた結果なのかもしれないですね。

三川:そうかもしれません。ただ、kakeruの勝ちパターンもまだ生まれていないので、今年は「挑戦」の1年になりそうです。もう、「立ち上げフェーズだから……」っていう言い訳も出来ないと思っているので。きちんと、kakeruの色を出しつつ、kakeruらしさを固めていきたいですね。

目の前の仕事をとにかく全力でこなし、実績を作る。それが”やりたいこと”を実現するための最短ルート

 


-- では最後に。足元の仕事もこなしつつ、”やりたいこと”にも挑戦した三川さん。1歩踏み出して新しいことにチャレンジするためには何が必要だと思いますか?

三川:やりたいことがあったとしても、ただ「やりたい」って言ってるだけでは何も始めらないと思うんです。やりたいことを実現するために誰かを説得する必要があるなら、きちんと実績を作っておくことがすごく重要になってくるので、最初に言ったとおり、やらなければいけないことをきちんとやる。そうして実績を作っていくのが良いんじゃないですかね。

あとは周りに”やりたいこと”を公言するのもすごく大切だなと思います。「◯◯までに、私はこれをやる」って言ってしまえば、やらなきゃいけない環境が自ずと出来上がりますし、ずっと言い続けていると自然と寄ってくるもの。今までやりたいことを実現できたのは、いま振り返ってみると自分のやりたいことを言い続けていると、ありがたいことに周りの人がその道を作ってくれたなと思います。

-- 自分の力だけでは出来ない道が出来上がっていく。

三川:だから、言い続けることも大事だと思います。”やりたいこと”っていうと、多くの人が高い理想をイメージしてしまいがちなんですけど、そうではなくて。

まずは目の前の仕事をとにかく全力でこなして、実績を作る。その上で「実はこんなこともやりたいんだよね」って言っていくと、少しずつ実現するための道が出来上がってくるんじゃないでしょうか。

(取材・執筆:新國翔大)

※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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