クラウドワークス“ゆとり世代の取締役”に学ぶ、ゆとり部下がバリバリ働くマネジメント術

「ゆとり世代は扱いづらい」とよくいわれます。でもそれって、マネジメント方法が間違っているのかも?

はたらく ライフハック
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「ゆとり世代は扱いづらい」とよくいわれます。でもそれって、マネジメント方法が間違っているのかも?

ゆとり世代を含む若い部下をマネジメントし、メンバーがバリバリ働く風土と仕組みをつくりだしている人がいます。それが、日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営する、株式会社クラウドワークスの取締役である成田修造さん。COOという、事業計画から採用、組織マネジメントまでのオペレーション全般を任されている成田さんは、なんとまだ25歳。彼自身1989年生まれの「ゆとり世代」です。今回は“ゆとり世代の取締役”である成田さんに、ゆとり世代の能力を最大限に引き出すマネジメント法を伺いました。

正しいか分からないなかで、やりきる風土


―成田さんは以前のインタビューのなかで、「鬼のように実行する風土と仕組みをつくる」とおっしゃっていましたね。具体的には、どのような風土や仕組みを指すのですか?

「それは、働く人が『やりたいこと、やるべきことをやりきれる』風土や仕組みのことです。理想論を語ったり、妄想をすることは誰にでもできると思うんですね。でも実際に行動に移すとなると、やはりいろんな理由で難しい。実際、リソースのせいにしたり、なんとなくやらなかったり、徹底的にやりきれている会社って、正直そんなにないんですよね」

―つまり「やるべきことを粛々とやりきれる風土と仕組み」が必要ということですね。そのように思うようになったきっかけはありますか?


「僕は“経営は実行”ということを常に意識しているのですが、それはクラウドワークスで働くなかで気付きましたね。ベンチャーで大事なのってゴルフでいうところの“打ち出し角度”だと思っていて。まず角度を決めて、一発目が打てたら、あとはグリーンに向かっていくだけなんですよ」



「ビジネスでも、サービスがある程度方向性さえ間違っていなければ、あとは実行。実行していくことでしか、サービスの成長も会社の成功もない。きれい事を言って終わりではなく、なによりも『実行すること』が大事なんです」

ワクワクをつくるのが、マネージャー


―ゆとり世代の若者は挑戦をすること、成田さんの言葉を借りれば「やりきる」ことが苦手だといわれます。

「うーん……ばかになれる人が少ないんじゃないですかね。人からどう思われるかとか、失敗したらどうしようとかを気にして、ばかになることを恐れている。みんな敏感になり過ぎてるのかもしれない」

―では、やはり部下には厳しいマネジメント法を実践しているのですか?

「むしろ『こうしなさい』と指示するより、本人がワクワクするような将来のイメージを提示してあげることが、すごく大事だと思います。そこをつくれるかがマネージャーの最大の要素かもしれないですね」

―ワクワクするような将来のイメージを提示する。

「人間って、『こうしなさい』と言ってもやらないのに、たとえば本当に楽しいことだったらやりますよね。RPGをやったら徹夜したり、好きな子とならずっと一緒にいたいと思う生き物なんです。ワクワクする環境さえ与えられれば人は自分から行動するようになるので、そこにもっていくようにしないといけないですよ」

まずは「やりたいこと」に耳を傾ける


―しかしゆとり世代の特徴として、自分の意見を言わない、ということがいわれます。本人の思いが分からない以上、ワクワクするイメージを提示するのは難しいのでは?

「ゆとり世代は思ったことを言わないといわれますが、何も言わないから何も思っていない、というわけではないと思うんです。それなりにその人のやりたいことがあるし、その人たちがしっくりくることがあるはず。幸いにもベンチャー企業では、ポジションの選択肢が比較的多様にありますよね。『こういうのやりたいの?』って聞いたり、メンバーのやりたいことにしっかり耳を傾ける、ということが必要です」



―それは意識してやっているんですね。

「やっていますね。その人が何をやりたいのかは、常に意識してないといけないですし、声を掛けていきます。個人に対してどういうミッションを与えるかによってその人の能力はぜんぜん変わるので」

できること、やりたいこと、やってもらいたいこと


―とはいえ、メンバーのやりたいことを全部受け入れていたら会社の方向性とずれていってしまいますよね。

「たしかに会社側にも要望があるので“できること”“やりたいこと”“やってもらいたいこと”、この三つの軸の擦り合わせは行っています」

―擦り合わせというと、具体的には?

「メンバーの能力と合っていて、なおかつやりたいことができていればベストフィットだし、乖離があるならそれを埋めてあげるようなコミュニケーションが必要です。さらに『会社として今これが必要だから、こういう能力を身に付けてみたら?』ということは言いますし。あるいは『ここまではやってもらわないときつい』っていうコミュニケーションは結構します。クラウドワークスでは、四半期に一回擦り合わせをしていますね」

―その人のやりたいことを聞くなかで、会社のやってもらいたいことと擦り合わせ、適切なミッションを設定していくと。

「ええ。適切なミッションを設定するパターンはいろいろあるんです。こちらから要望する、引き出す、ロールモデルをつくってそこに導かせるとか。その人がまだ経験がない段階だと、当然未来をクリアに描けているわけではないと思うんです。だから先輩ロールモデルをつくるとか、『こういうのあるんじゃないの?』とその人独自の路線を示してあげるとか。あるいはこちらが要望することによってむこうがそれに引き上げられることもあるでしょうし。まずは本人のやりたいことを聞いて、適切なミッションを設定するんです」

怒るときは、意図も伝える


―ゆとり世代は打たれ弱いともいわれます。とはいえ怒らないといけない場面もありますよね。そうしたとき、どのように接するべきでしょう?

「最近意識しているのは、何かを指摘するときに本質的な意図を伝えるということですね。僕が『ダメだ』と言うことがあったときに、信頼関係ができているなら強く言っていいのですが、なるべく『なぜだめなのか』『どうすればいいのか』っていうのは、時間をかけて話すようにしています」



―具体的にはどのような場面がありますか?

「たとえば、日報を書かない人に『書け』というのは簡単ですが、それでは今の若者たちは書かない気がします。書けって言われて書くなら、最初から書いてると思うんですよ。でも、理由が分からないから書かない。なので、日報を書く理由を何回も説明しています。なんでも納得感を持たせないとだめなんです」

―なるほど、納得感。

「本人が怒られたことにフォーカスしちゃうとまずいので、なぜ怒られているのか、という理由を伝える。そういうコミュニケーションは大事にしてますね」

21世紀の新しいワークスタイルを体現したい


―最後に、今後のビジョンについて教えていただけますか?

「まず会社のビジョンとしては、21世紀の新しいワークスタイルをつくるということがあります。そのなかで自分の役割としては、その理念の一番の当事者になっていくのが重要だと思っています。まず経営陣が新しいワークスタイルの第一の当事者になり、会社にいるメンバーたちが理念の当事者になっていくような環境づくりをしていきたいですね」

ゆとり世代が扱いづらい、といわれているのは、会社が求める仕事を個人がすることが当然と思われてきた、これまでのワークスタイルでの話。21世紀の新しいワークスタイルとは、会社と個人がそれぞれの求めるものを擦り合わせながら、誰もが納得感を持って仕事に取り組むことができる、というものなのかもしれません。



識者プロフィール


成田修造(なりた・しゅうぞう)/1989年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部に在学中より株式会社パテントビューロ(現・アスタミューゼ)に正社員として参画。知的財産検索エンジンおよびオープンイノベーション支援サービス「astamuse」の事業企画などを担当。その後2011年4月より株式会社アトコレを設立、代表取締役社長に就任。2012年7月より株式会社クラウドワークスに参画、執行役員となる。2014年8月には、取締役に就任。

※この記事は2014/11/19にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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