やりたい仕事と農業を掛け持ち! 話題の“半農半X”は会社員でもできる?

いま、話題のライフスタイル「半農半X」をご存知でしょうか。「半農半X」とは自給規模の「農」と「生きがいとなる仕事=X」を両立した生活のあり方です。しかしこの「半農半X」というライフスタイル、日々忙しく働くビジネスパーソンも選択可能な生き方なのでしょうか。

やりたい仕事と農業を掛け持ち! 話題の“半農半X”は会社員でもできる?

いま、話題のライフスタイル「半農半X」をご存知でしょうか。「半農半X」とは自給規模の「農」と「生きがいとなる仕事=X」を両立した生活のあり方です。しかしこの「半農半X」というライフスタイル、日々忙しく働くビジネスパーソンも選択可能な生き方なのでしょうか。

NPO法人「SOSA Project」の理事・高坂勝さんは千葉県匝瑳(そうさ)市で農作業にいそしむ傍ら、池袋にあるオーガニックバー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を経営する、まさに半農半Xを実践するひとり。今回はそんな高坂さんに、半農半Xの魅力と条件を聞きました。

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自ら経営するオーガニックバーの前に立つ高坂さん

 

食料を確保しながら、やりたい仕事をする生き方


そもそも、半農半Xとはどのようなものでしょうか。

「半農半Xとは、生活上の食料を確保(また、その努力)した上で、『X』にあたるそれぞれのやりがいのある仕事をしていく、個人と社会の幸せに貢献した働き方だと考えています。

『半農半X』というと、仕事の割合のうち、半分が農で半分がそれ以外の仕事と考える方が多くいらっしゃいますが、実はそうではないんです。ベランダなどで作物を作るなど、1パーセントの農を始めることも立派な半農半Xといえます。大切なことは、食料にしても仕事にしても、自立しようとすることなんです」(高坂さん:以下同じ)

半農半Xの魅力


高坂さんは農業を始めて8年経つそう。高坂さんが考える、「半農半X」の魅力はなんでしょうか?

経済的なコストの心配が減り、「X」となる仕事に注力できる


「魅力はいくつもありますが、やはり自分の生きがいとなる仕事や社会活動に邁進できることだと思います。

『X』はもちろん人によって異なります。起業して田舎でITビジネスを始める人もいれば、僕のように都心にBarやカフェなど飲食店を始める人、誰かのためにお役に立つナリワイをする人などさまざまです。

自給をもとにした田舎での生活には、経済的なコストがあまりかかりません。そのため、『X』にあたる事業の収支などに縛られすぎることなく、それぞれの『X』を突き詰めることができるのです」

消費的ではない、自立した幸せを獲得できる


「また、作物を通して四季折々の美しさや動植物の存在に感動する心(センスオブワンダー)を身につけることができます。

実体験として思うことですが、日々のささいな変化や発見に感動を覚え、自ら汗をかいて育てた作物を食し、自分のやりがい『X』にいそしむ。そういった生活の中で消費的な欲は減り、自立した幸せを獲得することができると考えています」

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年間35,000円で田んぼを借りられる


「半農半X」を実践する場合、資金はどのくらい必要になるのでしょうか?

「田舎で農業をするのであれば、あまり資金はかかりません。私が理事を務めるNPO法人『SOSA Project』の『my田んぼ』というプロジェクトでは、毎年、1区間50平米ほどの田んぼを農業用水代、稲代、田んぼ利用料など込みで年間35,000円で貸し出しています。

50平米ですと最高で25キロほど収穫できるので、2区間(100平米)あれば、1年分くらいの米を自給することも可能です。

また『my田んぼ』のような体験事業だけでなく、もし本格的な移住を考えるのであれば、地元の方が空家を直接紹介してくださる場合で、月に大体5,000円から3万円で土地付き一軒家を借りることができます。現在になってようやく世間でも空き家問題が取り上げられていますが、地方ではますます空き家は増えているので、『手数料だけで譲ります』という家や土地も少なくないんですよ」

月に2~3回の農作業で家族の1年分のお米を収穫


半農といえども植物を相手にするには、多くの手間暇が必要なはず。会社員でも実践することはできるのでしょうか。

「春から秋の7~8カ月の間で15日程度の作業日数にて、1年間食べるお米と、みそや醤油や納豆にする大豆を収穫できるでしょう。なのでシーズン中でも月に2~3回の作業ですから、週休1~2日の仕事でもじゅうぶん可能です。

大切なのは田畑をミニマムにすること。家族の1年分のお米の量を計算し、それを穫れるだけの田んぼ面積にする。規模が大きいと手間も労力も増える割に収量は増えません。これはXにする仕事も同じ。いくら稼げば幸せに暮らせるのか計算して、それ以上は働かない、稼がない。だから確実に利益が出る。私のバーは週4日営業で、3日の休みの1日を農にあてる程度です」(同)

必要なのは勇気とイマジネーションとわずかなお金


いかがだったでしょうか? 最後に高坂さんから「半農半X」を始める上での心構えを教えてもらいました。

「半農半Xを考えている方は、まず自分の好きな土地を見つけて行ってみるのが良いでしょう。また、そこで地域おこしをしている方や有機農業をしている方に会いに行くなど、積極的に関係を築いていくことで道は開けていくはずです。

チャップリンも言っていますが、必要なのは勇気と想像力とわずかなお金なのです」

農を通して自然の美しさを見つめ、自分だけの充実した「X」にチャレンジする「半農半X」。今後の生き方の選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか?

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識者プロフィール


高坂勝(こうさか・まさる) NPO法人「SOSA Project」理事。30歳で大手企業を退社。2004年に6.6坪の小さなOrganic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」Open。2009年より匝瑳で米と大豆を自給。執筆、講演、ライブで経済や生き方のダウンシフトをoutput。主な著書に『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』(ちくま文庫)がある。

※この記事は2016/02/18にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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