【野口吉昭の質問術】ビジネスを劇的に変える3つの質問テクニック

ビジネスの基本はお客さんや上司と円滑な対話をすることから始まります。相手の心理を読み取り、適切な答えを導きだす質問ができるかどうかによって、「契約が決まる」「仕事を受注する」等々、仕事の成否が決まることがあります。

スタディ スキルアップ
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ビジネスの基本はお客さんや上司と円滑な対話をすることから始まります。相手の心理を読み取り、適切な答えを導きだす質問ができるかどうかによって、「契約が決まる」「仕事を受注する」等々、仕事の成否が決まることがあります。

今回は、相手の信頼を勝ち取り、自分たちが必要な情報を相手から引き出す戦略的な質問の仕方について、コンサルティング会社HRインスティテュート代表の野口吉昭さんにお話を聞いてみました。


「話がうまい人=質問力がある人」とは限らない。


多くの人が誤解しているのが、優れたコンサルタントやトップの実績を誇る営業マン・セールスレディーの人たちは、“話をするのがうまい人”という印象を抱いていることです。

彼らはみんながみんな、冗舌な人ということはありません。むしろ彼らは少ない言葉で、相手の心に響く質問をします。そしてお客さんは聞かれた質問に答えるだけで「これまで気が付いていない問題点に気付くことができた」「自分たちが抱えている課題が整理されてすっきりした」、あるいは「この商品が自分たちに必要だと思った」という回答を導きだすのです。今回は彼らの例をいくつか取り上げて、優れた質問をするためのテクニックを紹介します。


【メソッド1】世間話から相手を知る。


ビジネスにおいて、「とても多忙で3分しか話す時間が取れない」といったお客さんでない限り、いきなり突っ込んだ話をするのは、当然のことながらタブーです。初対面で相手との信頼関係を構築したい場合は、まずは相手に「この人は私の話をきちんと聞いてくれる」「この人だったら自分の話をしても大丈夫だろう」という安心感を持ってもらう必要があります。相手が医者や大学教授などであった場合「ワイン」や「車」の話を持ちかけますし、庭付きの家に住む主婦であれば、近くにあったお花の話など、相手の趣味を想定しながら雑談を持ちかけます。

Step1.じっと聞く
Step2.うなずく
Step3.相手の言葉でより掘り下げて聞きたい箇所をオウム返しにする
Step4.相手の言葉や意見をくみ取った上で、自分の意見を入れる


このときに上記のステップを実践して、相手に耳を傾けていることを示すことが必要になってきます。成績トップクラスのハウスメーカーの営業は「外食はいつもどこに行くんですか」というレベルの雑談から、「この家族で一番発言力を持っているのは誰か」を見いだします。

例えば「毎月家族でおすし屋さんに行きます。おじいちゃんが昔からひいきにしているおすし屋さんがありまして」という返事が返ってきた場合、親夫婦の旦那さんがかなり強い権限を持っていることが推察できます。こうした雑談からハウスメーカーの営業にとって欠かせない“家族の意思決定メカニズム”を把握するのです。つまり、雑談として相手にしゃべらせながら、実際的には会話の主導権を握れる、知りたい情報を仕入れることができるのです。


ポイント


1.相手に気持ちよく話してもらう環境をつくることが信頼獲得への第一歩。
2.世間話から、話し相手の意思決定のメカニズムを探ろう。



【メソッド2】仮説をあらかじめ用意しておく。




優れたビジネスパーソンは、質問する前にあらかじめ自分が相手から何を聞きたいか、何が聞けそうか、相手が今何を知りたがっているか。また、自分に何を求めているか、会社全体の動きをどう捉えているか、会って話をする目的は何か…等、自分の仮説を事前リサーチによって用意しています。

だからこそ、仮説に基づいた鋭い質問ができるのです。仮説を用意することで、「自分の会社や業界全体に対して一定の見識があること」を言葉にせずに、相手に示すこともできます。もし仮説がない漠然とした質問をすると、それに呼応するように漠然とした答えしか返ってきません。質問力を身に付けるには、きちんと仮説を立てる能力が欠かせないのです。

ただし、どれだけ自分が下調べに時間をかけて、仮説を用意して質問をしても、その場で自分の想定通りの答えが返ってこないことはよくあります。そのときに頭が真っ白にならないために、自分の質問に対するありとあらゆる回答例を想定しておく必要があります。そしてその想定からも外れた状況になった場合、仮説を捨て去り、現場でゼロベースで考えられるアドリブ力が必要になるのです。これは経験しないことには身に付かないので、まずはありとあらゆる仮説を立てることから始めましょう。


ポイント


1.より鋭い質問をするために、相手に会う前に事前リサーチをして仮説を立てよう。
2.「仮説」はあくまで、自分で用意した“仮”の答え。想定外の回答が来ることも頭の隅に置いておこう。



【メソッド3】質問・あいづちは短く、本質を凝縮したワンメッセージに。


質問する事前準備の段階で仮説を立てることができたら、会話の核となる部分が理解できるはずです。仮説で浮かび上がった核は、端的な言葉に言い換えて質問する「ワンメッセージ化」します。

だらだらと冗長な質問では、回答者が自分に何を答えてもらいたいのかの要点を得ることができず、焦点の定まった会話にならないためです。また、回答者が質問に対してだらだらと要領を得ない話を長々と続けた場合にも、質問者は「つまりそれはどういうことか」を一言で「見える化」してあげるスキルも求められます。せっかく適切な質問をしても会話の輪郭がぼやけたり脱線してしまっては、欲しい答えは得られません。

つまり、質問力とは「相手の話を深く傾聴する力」「仮説を立てる力」「本質を理解する力」の総合的なスキルを指すのです。この3つのポイントを意識して、取引先の人や上司らと対話することで、あなたのビジネスパーソンとしての能力は確実に上がっていきます。


ポイント


1.だらだらと長い質問は、的を得ない回答を招きやすいので避けよう。
2.回答が曖昧な場合、「要するに~」とこちらで言いたいことをまとめてあげよう。


PROFILE



野口吉昭/株式会社HRインスティテュート代表。横浜国立大学工学部大学院工学科修了後、建築設計事務所、コンサルティングファームを経て、37歳のときにHRインスティテュートを創業。現在、中京大学総合政策学部・経済学部講師。著書に『コンサルタントの「質問力」』(PHPビジネス新書)などがある。

※この記事は2013/11/20にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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