【原尻淳一の読書術】本で得た知識をアウトプットにつなげる6つのメソッド

どんな読み方をすれば、自分の経験値へと変換できるのか、本を読む技術とは何なのか。その方法論について『読書HACKS! 知的アウトプットにつなげる超インプット術』の著者である原尻淳一さんにお伺いしてみました。

スタディ 雑学
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仕事のスキルやノウハウを高めるうえで、欠かせない情報源である書籍。同じ本を読んでも、そこからアウトプットにつなげられる人とそうでない人がいます。ではどんな読み方をすれば、自分の経験値へと変換できるのか、本を読む技術とは何なのか。その方法論について『読書HACKS! 知的アウトプットにつなげる超インプット術』の著者である原尻淳一さんにお伺いしてみました。

ビジネス書をたくさん読んでいる人=読書力のある人ではない。



“読書力”と聞くと、単にビジネス書を多読し、著書の主張を正しく理解することができる人だという印象を抱いてしまうかもしれません。しかしそれは大きな誤解です。たくさんの本を読んだことで満足感を得て、仕事ができる人の気分になってしまうのでは、「インプットのためのインプット」にすぎず、意味がありません。

今回はこのようなインプットのための読書スタイルから、仕事などのアウトプットの場面で役立たせるための読書に変換させるテクニックをお教えします。

【メソッド1】本は単なる情報ツール。自分の好奇心が赴くまま読書をしよう。


そもそも読書に苦手意識を抱いている人は、「始めから終わりまで全部読まなければいけない」という認識を持っていることがほとんど。実は私も幼いころ、国語が大の苦手でした。そのため、本が嫌いな人の気持ちがよく分かるのです。しかしあるとき、ダニエル・ペナックの『奔放な読書』(藤原書店)の中で、述べられている<読書の権利10カ条>を読んだことで、私の苦手意識は一気に解消されました。それが下記の通りです。

□第一条 読まない権利
□第二条 飛ばし読みする権利
□第三条 最後まで読まない権利
□第四条 読み返す権利
□第五条 手当たり次第なんでも読む権利
□第六条 ボヴァリズム(小説に書いてあることに染まりやすい病気)
□第七条 どこで読んでもいい権利
□第八条 あちこち拾い読みする権利
□第九条 声を出して読む権利
□第十条 (読んだことを)黙っている権利

いかがでしょうか? 本は全部最後まで一言一句見逃さず読む必要などなく、使えると思えるところだけ読んで、あとは切り捨ててしまってもいいのです。



原尻さんがいつも携帯している『読書キット』。10分でも時間ができれば、ここから本を取り出して読んでいるのだとか。



【メソッド2】偉い人の薄い本から読んでみる。


自分の軸となる領域を持っていない場合や読書に苦手意識を抱いている人は、まず関心のある偉人の短い本から、読んでみることをオススメします。どんなに薄くても1冊は1冊。読書の参入障壁を低く設定し、1冊クリアしたら、徐々にレベルを上げていく。こうした方がモチベーションが維持されやすいのです。

例えば、経営について深く知りたい場合はホンダの創業者、本田宗一郎さんのエッセイ集『俺の考え』(新潮文庫)、あるいは元ソニー会長である出井伸之さんの『迷いと決断』(新潮新書)などから入ってみてはいかがでしょうか。また編集者の松岡正剛さんの『千夜千冊*』というHPでは、6万冊を超える蔵書からえりすぐりの作品の書評が展開されています。そちらを参考にするのも一つの手だと思います。

※千夜千冊

【メソッド3】尊敬する先輩を“本の師匠”にする。


関心のある分野を探究するのとは別に、アウトプットにつなげる読書術で手っ取り早い方法が1つあります。それは、会社の尊敬できる先輩に「自分と同い年くらいのころ、どんな本が仕事に役立ちましたか?」と聞くことです。同じ業界に自分より長くいて、実績を持っている先輩が役立ったと教えてくれる本は、自分の業務内容にとってその本がすごくマッチしているということ。会社の先輩は一番身近なキュレーター、“本の師匠”というべき存在なのです。ぜひ、先輩とランチに行ったときなどには、さりげなくオススメの本を教えてもらいましょう。

また、本を読み終えたら自分が良かったと思えた箇所の感想を先輩に伝えてみたり、先輩と本の内容をディスカッションすることで、理解をより深めることができますよ。

【メソッド4】思考のホームグラウンドをつくる。


私は就職してからずっとマーケティングを専門分野にしてきました。そのため、何を考えるにも無意識にマーケティング的な考え方になります。その理由は、マーケティング分野の書籍を専門的に読み、これらの本で得た知識を現場で応用し、積み重ねてきたから。このプロセスを行うと、「思考のホームグラウンド」と呼ぶべき、自分の思考の原点・物事を見る基準が形成されていくのです。

一度ホームグラウンドを手に入れることで、異分野について学ぶ際も、自分の専門分野との相違点や共通点が浮かび上がり、思考のホームグラウンドを持たない人より早く理解ができるものなのです。自分の思考のホームグラウンドを持つために特定の分野の、プロフェッショナルになることをテーマに掲げ、読書を始めてみてはいかがでしょうか。

【メソッド5】四の五の言わずに、本で得た知識を実践する。


私が広告代理店で働いていた20代のころ、三枝 匡(さえぐさただし)さんの『戦略プロフェッショナル』という本を先輩から教えてもらいました。そして本の中で、 マーケティング戦略について実践で使えそうな部分があったので、自身のクライアントに置き換えたときどうなるかを先輩と一緒にディスカッションしていました。そのときに議論したことは、今の自分の血肉となっています。このように、本で得た知識はとりあえず、現場で実践することが、アウトプットのための読書に必要不可欠なのです。

もちろん、これまでビジネス書やハウツー本を実践の場にして、まったく使えなかったということも多々あります。当たり前のことですが、仕事の領域も立場も違う他人の人生を追体験することが、そのまま自分のビジネスに直結するということはまずありえません。しかし大切なのは、獲得した他人の教訓を常に検証し、本当に使えるメソッドを見極めることなのです。


原尻さんの教訓リスト。このデータベースの量がビジネスの現場で応用できる本物の知識の量だと言い換えることができそう。


【メソッド6】使える/使えないの教訓を自分のデータベースとする。


本で得た知識を実践したら、必ず使えるメソッドをノートに書き留め、自分オリジナルの教訓を作りましょう。仮に、実践の場面で使えなかったメソッドでも、異なる2つのものを組み合わせたり、自分が考案した方法にアレンジすることで独自の方法論が誕生することもあります。この連続が自分のアウトプットに合うスキルやノウハウを身に付ける唯一の方法なのです。

つまり、アウトプットのための読書とは…。

□1. 本を読む。
□2. 教訓を見つける。
□3. 実践する。
□4. 使える教訓を見極める。
□5. 自分なりに応用する。
□6. 自分だけのメソッドを体系化させる。

この6つの循環を自然とできるようになることです。アウトプットありきの読書方法を習慣化することで、どんな仕事においても高いパフォーマンスを発揮できるビジネスパーソンになれるのです。


PROFILE


原尻淳一/1972年、埼玉県生まれ。株式会社ブルームコンセプト取締役。龍谷大学経済学部客員教授。著書に『読書HACKS! 知的アウトプットにつなげる超インプット術』(講談社プラスアルファ文庫)、共著書には『「キャリア未来地図」の描き方』など。アーティストやタレント等のブランディングを行うほか、大手メーカーの新商品開発やマーケティング・コンサルティング、企業研修講師を行っている。現在、そのノウハウを一般人に応用し、個人の価値を高めるワークショップや学校を主催している。

※この記事は2013/12/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
《編集部》

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