間違って使ってない!? OK敬語とNG敬語の境界線 vol.1:上司に言ってはいけないNG敬語

ビジネスシーンで知らず知らずのうちに使ってしまっている「NG敬語」は少なくありません。中には、本当は誤った敬語なのに慣例的に定着しているものや、一見間違っているようでいて実は正しい敬語というものもあります。

間違って使ってない!? OK敬語とNG敬語の境界線 vol.1:上司に言ってはいけないNG敬語

ビジネスシーンで知らず知らずのうちに使ってしまっている「NG敬語」は少なくありません。中には、本当は誤った敬語なのに慣例的に定着しているものや、一見間違っているようでいて実は正しい敬語というものもあります。

本連載では、ビジネスマナーの専門家・美月あきこさんに、間違いやすいNG敬語を解説していただきました。

 

まず初級編! 上司に言ってはいけないNG敬語



「了解です」「了解しました」


「了解」は、「先方が伝えたい内容を理解したこと」「先方の事情を慮って納得すること」を意味します。つまり、「わかりました」という意味なのですが、この言葉、同僚もしくは目下の人に対して使うのは問題ありませんが、目上の方に使う際には注意が必要です。上司や取引先には「承知しました」を使えば丁寧な印象を与えますし、間違いありません。

 

「ご苦労様です」


忙しく働く人たちを思いやる言葉である「ご苦労様です」。一見すると、とても心遣いのある言葉のように感じますが、一般的には、目上の人が目下の人への労をねぎらって使う言葉で大名言葉とも呼ばれています。

ついつい、上司に使ってはいませんか? この場合、「ご苦労さま」ではなく「お疲れ様です」と、労いましょう。くれぐれもお昼以降に使用されますように。よく「朝から疲れていないよ」とおっしゃる方もいらっしゃいますから。

 

「よろしかったでしょうか」


飲食店の店員さんなどが良く、注文したメニューの確認のために「以上でよろしかったでしょうか?」と聞いてきますよね。しかし、この言葉、良く見てみてください。「よろしかった」は過去形です。話が進んでいる状況は現在進行形なので、NGです。正しくは、「こちらでよろしいでしょうか」「お間違いございませんか」と相手に確認します。

 

「例の件、伺っていますか」


「伺う」は、敬語の種類の中で「謙譲語」に該当し、自分がへりくだることで、相手を立てる言い方になります。
そう考えると、敬語として正しいように感じますが、このケースでは「聞く」の意味であり、その謙譲語は「お聞きする」なのでNGとなります。正しくは「例の件、ご存知でしょうか」となります。

 

「お客様をお連れしました」


「お客様」は、「客」に「お」「様」を付けた丁寧な表現であり、敬意を払う敬語として正解です。それに続く「お連れしました」も同様のように思ってしまいがちですが、この場合、敬意を払っているのは「連れてきた相手」に対する敬語になるのでNGです。「お客様がお見えになりました」が正しい表現です。

 

「どんな御用でございますでしょうか」


「御用」は、敬語として問題ありません。では、「ございますでしょうか」はどうでしょうか。「ございます」は、「ある」の丁寧語です。また「でしょうか」は、「だろう」の丁寧語です。つまり、二重敬語であり、日本語として正しくありません。「ご用件を伺ってもよろしいでしょうか」とすればスマートな印象になります。

 

【番外編】これはOK敬語? NG敬語?

 

「お見えになる」


「お見えになる」には、「目上の人が来る」という意味があります。敬語として、間違いではありません。しかし、「お見えになられる」としてしまうと、これは二重敬語になります。二重敬語の使用が許されるのは、天皇陛下に対してのみです。

 

「お伺いする」


「お伺いする」をひとつずつ見ていくと、「お」は謙譲語、「伺い」も謙譲語に該当します。謙譲語が2つ含まれているので二重敬語となり、本来はNGですが、この敬語はビジネスシーンで慣習的に良く使われており、セーフです。

 

「○○させていただきます」


「させていただきます」は、「させてもらう」の謙譲語です。敬語として間違いではありませんが、使用に当たっては2つの条件が必要です。「相手の許可を受けている」「自分が恩恵を受けている」ときのみ、使用するようにしましょう。

 

「さすがです」


上司が素晴らしいプレゼンをしたときなどに、つい「さすがです!」と言いたくなりますよね。しかし、「さすが」には褒める意味があり、この行為は「評価する」ことになります。部下が上司を評価するのは失礼とらえられるかも。従って、敬語としてもNGです。この場合、「部長には頭が下がります」などと言い換えたほうが誤解を与えず伝わります。

いかがでしたでしょうか。気付かずに使っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。この機会に、ご自分の言葉遣いを振り返ってみましょう。

 

プロフィール



人財育成トレーナー
美月あきこ
CA-STYLE主宰。人財育成トレーナー。オールアバウト「ビジネスマナー」ガイド。日系・外資系双方の国際線客室乗務員の経験を活かし、人財育成会社を起業・経営。『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』など著書多数。

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